【ベネフィット意識】
"ベネフィット"とは
直訳すると「利益」「恩恵」「援助」となりますが、ここでは「あるもの(サービスや商品など)を通して得られる価値」のことを言います。
これからの時代はこの"ベネフィット"をいかに意識して提供できるかどうかがポイントとなります。
例えば、駅を挟んで北と南にそれぞれ一軒ずつ八百屋があります。駅の再開発により駅直結の大型スーパーができ、そこでは八百屋よりも安く野菜を買うことができます。スーパーが開店してから3ヶ月後、北側の八百屋は価格差からスーパーに客を取られ廃業してしまいました。
一方、南側の八百屋は価格差にも関わらず客足は変わりません。
北と南の八百屋の違い何か?
それはどんな"ベネフィット"を提供していたかの違いです。
北側の八百屋はそこに行けば野菜を買うことができるという一つのベネフィットしか提供していませんでした。
それなら、そこへ行けば安く、野菜を買うことができるという2つのベネフィットを提供できるスーパーの方に客足が向くのは当然です。
では、南側の八百屋はというと、そこへ行けば野菜を買うことができることに加え、顧客とのコミュニケーションを大切にし、風邪気味と聞けば風邪に効く野菜を勧め、献立に悩んでると聞けば野菜を使ったレシピを提案したり、野菜によるソリューションの提供というベネフィットがありました。
そのため安さよりも野菜によるソリューションの提供に価値を感じる顧客は八百屋で野菜を買い続けるのです。
同じ野菜を扱う八百屋でも何を自分のベネフィットと意識して提供するかによって事業の持続性に大きく影響します。
ベネフィットの"質"と事業の継続・発展性について
そして面白いことに、事業の持続性や発展性はベネフィットの"質"によらないケースがあります。
ある会社で分からないことがあればこの人に聞けと言われるほどその業界に精通した入社15年目のAさんがいます。Aさんと同じ部署に入社3年目で知識はまだ足りないもののコミュニケーション能力が高く人の話をよく聞くBさんがいます。
自社のサービスについてAさんは誰よりも詳しくプレゼンすることができますが、Bさんの方が営業成績が良い。
これと似たような経験をされたことや、話を聞いたことはないでしょうか?
Bさんよりも遥かに質の高いプレゼンができるのに、どうしてこんなことが起こるのか?
それは、Bさんが提供できるベネフィットが顧客のニーズを満たしてるからに他なりません。
自転車を必要としてる人にどれだけバイクが素晴らしいものなかを説明しても意味がないように、ベネフィットにはそれを求めるターゲットが存在します。
言い換えると人によって求めてるベネフィットは異なるということです。
つまり、このAさんとBさんのケースの場合、Aさんは提供してるベネフィットとターゲット(顧客)が一致してなかったのです。一方、Bさんは顧客とコミュニケーションを大切にしどんなベネフィットを求めてるのか、自分が顧客のためにどんなベネフィットを提供できるのか考え、自分の提供できるベネフィットと一致するターゲットを考えて探していたのです。
このように、自分にはどんなベネフィットを提供することができて、それは誰を喜ばすことができるのかきちんと理解することができていればベネフィットの質で劣ってしまっていたとしても成果を上げることができます。
もちろんベネフィットの質が高い方が良いに越したことはありませんが、まずはベネフィットとそのターゲットをきちんと理解することが第一となります。
まとめ
事業においても個人においても同じことを言うことができ、どんなベネフィットを提供できるのか、そしてそれは誰を喜ばすことができるのか。このベネフィットの意識を明確に持てる人及び事業が今後時代の先頭を走っていくことになるでしょう。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?