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何気ない言葉がつくるもの

何気ない言葉で、ときたら枕詞のように「傷ついた」だのと続く。横断歩道や学校の掲示板によく貼ってある決まり文句だ。

確かに、僕も誰かを何気ない言葉で傷つけたり、傷つけているのだろう。

でも、何気ない言葉が作り出すのは傷ばかりじゃない。

何気ない言葉は、誰かを励ましたり、道筋を創り出すこともある。

僕も、そんな何気ない言葉で道筋を作れたことがある。

***

高校の同級生に2年ぶりに会った時のことだ。家と最寄駅は近く、何度か同じクラスになったことはある。

が、あまり頻繁に連絡するような仲ではない。その同級生に何を思ったか、僕は話を聞きに行った。

「どうやったら彼女は作れるの?」と。

その友達はこう答えてくれた。

「必ずお前と会う女の子はいるから、探せ」と。

彼の言葉は妙に説得力がある。その言葉も、自分で嫌になるほど疑い深い僕が信じるほどだった。

彼とこの話をして一年半後、念願の彼女ができるわけだが、それはまた別のお話として。


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