見出し画像

「Oさんの牛乳プリン」辻家の人々 第24話/文:辻ヤスシ

レジェンドプロ野球選手、その息子から見た家族の肖像。辻発彦の子として育った筆者・辻ヤスシが描く自伝的小説!第24話!

■第1~23話までを読む■

【重要】こちらの漫画作品は100円で購読できます。もしくは、「アジト(2021-3月号)」のマガジンを500円で購読して頂ければ、他の有料作品も含めて読めるので、よりお得です!!

■■マガジン購読はコチラから↓↓■■

※上記のマガジンの収録作品は随時更新・追加されていきます!


---では、本編をお楽しみください---

辻家の人々 第24話
「Oさんの牛乳プリン」


指定強化選手に選ばれたことで、一軍の選手の気迫と技術力に圧倒された日の翌朝、僕は始発の電車で学校へと向かっていた。

目的は早朝からの個人練習。いわゆる朝練というヤツだ。眠い目をこすりながら電車に揺られ、約1時間後には校門をくぐる。とにかく練習を重ね、レベルアップを図る――その一心だった。

それから毎日、朝5時の始発に乗り、早朝から個人練習。授業を受け15時半から21時前後まで全体練習。さらに終電まで個人練習……家に帰るとご飯を食べて風呂に入って即就寝。

通学時間・授業中・就寝中…以外のほとんどの時間で体を酷使する、まさに高校野球中心の生活を過ごした。一軍で足を引っ張らないように……その気持ちがモチベーションだった。

しかし、そんな日々が1ヶ月以上続くと、慣れもあったのだろうか、脆くも初心は薄れはじめ、モチベーションの低下が見え隠れするようになった。

ここから先は

1,302字
この記事のみ ¥ 100

サポートして頂ければアジトの活動がより活発になること請け合いであります。もっと面白く、もっと高みへ…!!