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朝顔は育つ。赤紫蘇とコリアンダーは失敗。鬱病に効いた認知行動療法。

朝顔は双葉の季節をすぎ、葉が出てきた。昨日はお天気が良く、朝から太陽の光をいっぱいに浴びてとても気持ちよさそうだった。しかし、赤紫蘇とコリアンダーは、全くの沈黙のまま。芽が出なかった。何がいけなかったのかなぁ。赤紫蘇は梅干しとシソジュースに使うので、取り寄せの予約をキャンセルしなくてよかった・・・。しかしがっかりだ。

三十代後半で仕事のしすぎで鬱病になった時、だいぶ症状が落ち着いたあと、認知行動療法というワークショップに参加した。これは病院で行っているリワークプログラムの一環で、それ以外は朝の100マス計算、運動療法、園芸療法、作業療法などなど、いろいろなことをした。どれも鬱病の気分を和らげ、前向きな気持ちになる助けになった。運動療法、頑張ったなぁ・・・。

印象深い認知行動療法は、人の認知を意識させることで、「あ、また私この思考回路に陥ってる」と気付かせ、自分で自分を修正する、というのがざっくりした内容だ。私は子どもの頃から、いつも不機嫌を撒き散らしていた父親の機嫌を取るのは私の仕事だと思って努めてきたせいで、なんでも人の機嫌を自分のせいにする傾向があった。機嫌の悪い人がいると、それが心から恐ろしくて一生懸命ご機嫌を取ってしまうのだ。しかし、そこで自分のその癖をわかっていれば、「あ、私またやってる」「やめよう。人の機嫌は怖くない。私には関係ない」と考えることができる。

しかし自分の傾向を知るためには、まずは自分自身の癖を知らなくてはならない。そのために過去の自分を思い出し、膨大な洗い出しを行なったわけだが、結構昔の出来事のせいで「思い出しむかつき」みたいなことがたくさんあった。(今でも時々思い出して腹が立つ)

効果的なのは、この自分の「困った癖」に気づいたら、例えば水を飲んで落ち着く、とか、ちょっとトイレ、と言って席を外すとか、なんでもいいので自分に合図を出すのだ。私は小指にしているピンキーリングをぐるっと一回転させる、という決まりを作った。

幸い、この決まりを作った後で明らかに私が関係のない人の機嫌を取るような場面にはほとんど遭遇しなかった。しかし、今まで特に理由もなくしていたリングがお守りのような存在になったことで、大変心強かった。

私は自分の鬱病のことを思い出すと、あれがなければ私はずいぶんお金を稼いでいたな、とか、今頃日本で働いていないかもな、など、「あーがっかり」と思ってしまうことがしょっちゅうあった。しかし最近になって、今の生活のほうがよっぽど幸せだと思う。誰の機嫌を取る必要もなく、分かり合えるパートナーと可愛い猫がいて、自分で自分の生活を充実させるために、一つ一つ丁寧に生きつつ、さらに何をして生きていったらもっと楽しいかを一所懸命考えている最中。こんなに恵まれた幸せがあるもんか。私はあの思考回路のまま激務を続けていたら、きっともっと大きな破綻をしていたような気がする。よかった。

認知行動療法は、今では当時よりも全く一般的な治療になっているだろうし、特別なところへ行かなくても、いろいろなところで触れるチャンスがあるかもしれない。アプリとかあるんだろうか。興味のある方は、ネットで検索してみてください。

しかし学ぶ過程は結構しんどいです。

続く






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