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誰にも言えない俺の不倫体験談⑯(誰もが愛してる人と結婚できる訳じゃない、イクメン、マイホームパパの俺の秘密)

俺は自分で言うのもなんだが、良い父親だ。
8年前に結婚した嫁との間に2人の子をもうけ、3年前には一戸建ても購入した。
育児も苦と思うこともなく、家事にも積極的に参加してきたし、週末はほぼ毎週、家族と出掛ける毎日だ。
夫婦仲も良好だし、周りから見れば理想の夫婦と思われてる違いない。
そんな父親だ。

ただ、それは表の顔。
実は結婚直後から不倫をしている。
相手は元カノだ。
彼女とは大学時代を含め5年間、一緒の時間を過ごした。
何をするにも一緒。
同棲もしてたし、家族同然の関係だった。


そんな関係が終わったのは、突然だった。
実は、彼女は地元では有名な名家の生まれで、親の見つけてきた男と結婚する事になったのだ。
彼女は、ずっと嫌がってたが、病気に倒れた母の頼みでそういう決断をした。
彼女らしいと思った。
両親や家族の事が大好きで、とくに母親には特別な思いがあったようだ。

厳しい家が嫌で、地方の大学へ行きたいという彼女の唯一の味方は母だった。
庶民の俺との付き合いを認めてくれたのも母。
同棲を認めてくれたのも母。
俺も数回会って話をしたが、とても物腰が柔らかく、優しいお母さんで、俺も好きだった。
名家らしからぬ、普通の感覚を持っていてくれた彼女のお母さんだったが、病に倒れてからは少し考えが変わったようだ。

俺は普通のサラリーマン。
かたや相手は、全国的に有名な大企業の子息だった。
彼女の親の事業とも重なる部分があり、すごくメリットのある納得の相手だった。
お母さんも、家の事を考え、そして娘の将来の事も考えたなら当然の選択だと思った。


別れを受け入れるしかなかった。

1人になり、別の女性と何人か付き合ったが全然彼女とは違った。
好意はあるんだか、何か違う。
「好き」とは言えるけど、「愛してる」とは言えない、みたいな。
あらためて、元カノが運命の人だったんだなぁ、と思った。

そんな頃、元カノから年賀状が届いた。
写真館で撮ったらしい写真には、少し大人びた彼女と、品の良さそうな旦那、そして彼女の胸には赤ちゃんの姿が。
感情に浸って眺めていたが、ふと目を落とすと、ありきたりの挨拶文とは別に、手書きで彼女の連絡先が書いてあった。
悩んだが、連絡をとることにした。

お互いの近況報告、友人の近況話が終わると、自然と口にでていた。
「お前が運命の人だったかも」
「私も」
少ない言葉だったけど、俺と彼女の間ではそれで十分理解しあえた。
お互い気持ちは同じだった。
会いたい気持ちが爆発しそうで抑えきれず、それからすぐに彼女と再会した。

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