知ってる人だった
新規で来たお客さん。
玄関で会った瞬間には、分からなかった。
部屋に入って、何だか既視感。
…とはいえ、雰囲気がよく似てるお客さんは何人もいる。特にマスクをしていると顔の上半分しか見えないわけで、新規の方がリピーターさんにそっくりに見えることなんて日常茶飯事。
ただ…、服を着てても香る、独特な匂いを放ってる人だった。異臭とまでは言わない、別に不潔な訳でもない。おそらく香水でもない。甘ったるい感じの体臭。
その匂いを覚えていた。
一度嗅ぐと忘れない匂い。
たぶん遺伝子的に、あまり私とは合わなさそうな香り…
そう言われて見れば、見た目も…どことなく見たことがあるような。カルテに書かれた名前にも記憶があった。
えっ、私、この名前、どこで見た…?
思い出せ、思い出せ…。
「はじめまして…ですよね?(*^^*)」
「はい、ここのお店初めてです😊」
「ですよねー(*^^*)笑」
相手は気づいてないみたい。
えっ…、私、この人に会ったことあるはず。
前職でもプライベートでも、そんなに覚えていられないほど多くの人と関わってきたわけではない。
電車で乗り合わせた…みたいなレベルで無い限り、何らかの関わりがあれば多少の記憶には残っているはず。
何かのイベントで知り合った…?
ペアーズをやってた時期にデートした…?
友達の友達…?
あ、…あの人か!
たぶん、一度だけ、ラーメンを食べた年下の人だ。経緯は忘れたけど、なぜだか「彼女ができません…」という恋愛相談に乗っていたのだった。
異業種交流会のイベントで知り合ったんだったか、Facebookで共通の知り合いがいて、友達リクエストが来たんだったか。
(後で確認したらFacebookのメッセンジャーの履歴が残っていた。
3〜4年前の話。
1回だけ食事をして、カラオケに行って、相談に乗って、その後は、「また会いたい」みたいなメールが来始めて、何だかしんどくてスルーしていた相手だった。)
うわー、気まずい。
いや、相手は覚えてない(んだか、気づいてないんだか)のだから、いつもの普通の新規さんと同じ接客で良いんだけど、
元から少しでも知ってる人には、どうしても密着を躊躇ってしまう。相手を焦らすドSモードに、私が入れない…。
我ながら、自分の限界というか新たな一面を見た。
私からすると、これからリピーターとして通われるほど気に入られても困るし…とはいえお客さん。スタンスに迷う。幸い、共通の知り合いがいるわけではなさそうとはいえ…
無難に無難に。
可もなく不可もなく。
悩みながら、口数少なめに施術をする私。
相手は、あまり空気を読まないタイプで、最近行った一人旅(どこへ行って何を食べたか)の話をずーっとしていたかと思えば、
「僕の身体どうです?」「あそこ硬くなってます?」みたいな答えにくい質問をしてくる…
あんまり相手の気持ちを察しないところ、独りよがりなところ、
3年経っても変わってないな。
やっぱり、あんまり好きじゃない。笑
触ってきたりはしなかったものの、1人憂鬱な接客を終えたのでした。
しんどかったな…
思い出されても困ると思うと、あまり個人的なことも話しにくいし。
ここは特殊な空間。外の世界との接点になる人には、正直、あまり入ってほしくない。笑
もちろん、知り合いの中ではギリギリ許容範囲レベルの知り合い濃度。相手が気づかない程度なんだから。
退職時に怒鳴られた、前の会社の社長とか、セクハラまがいの発言をされた上司とか来たら目も当てられない…。それだけは無いことを願うしかない。笑
それを考えたら、よっぽど良いとはいえ、また来られるとしんどい、やだよ。
こういう場合のマニュアル、自分の中で作らなきゃ…🤔涙
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ありがとうございます、また書きます。思い出したら、また読みに来てください✨