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全員が無能化した人材紹介会社の話

いくつかの人材紹介会社を見ていると、同じような失敗パターンに陥っていることがよくあります。

どんな状況かを説明する前に、ピーターの法則を説明させてください。ローレンス・J・ピーターによって提唱された経営学の原理で、「従業員は、彼らの能力を超えた職務に昇進するまで(無能になるまで)、昇進し続ける」というものです。

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その上で、よくある人材会社の人の流動は下記のようなパターンです。
1、事業が立ち上がり、目標を高くしたため人を増やしていく
2、トッププレイヤーが賞賛され、昇進していく
3、プレイヤーが育たず、チーム内で格差が生じる
4、人材の流出が止まらなくなる

ピーターの法則から考えると、トッププレイヤーは出世していきます。人材紹介は他人の成績が見えやすく、そのこと自体は賞賛に値するため、昇進に対して異論を唱える人はほとんどいません。そのため、比較的大きな会社でも20代でマネジメントレイヤーにつくことがしばしばあります。しかし、これまでプレイヤーに徹してきた人々は、その先に進む際には学び直す必要があります。何もしなければ彼らは、マネジメントレイヤーになると次第に無能化していくのです。

自らのやり方で成果を出してきたため、自身の手法をメンバーにも求める傾向があり、自己流のマネジメント手法でチーム運営をしていくことになります。誰しもがそのマネジメントにフィットしている訳ではないので、チーム内で格差が生じていきます。成果が出ないとマネージャーも焦ることになり、マネジメントの厳しさに拍車がかかってきます。

多くの人材紹介会社ではKPIマネジメントを基盤としていますが、そこにマイクロマネジメントが混入するとかなり危険な事態となります。マイクロマネジメントとは、メンバーの活動や業務を過度に細かく監視し、指示を出したり、業務に介入したりすることを指します。これにより、メンバーのモチベーションの低下や創造性の抑制、生産性の低下や離職率の上昇を招き、メンバーは無能化していきます。

自分が無能化していることに気づかないマネージャーと、それによって無能化されたメンバーによって無能化したチームが出来上がるのです。

ピーターの法則に関連し、かつ同時に起こることも少なくない現象としてディルバートの法則が挙げられますが、この法則では生産的かつ実質的な仕事は、平社員レベルのいわゆる下層部に属する人々によって実践されており、上層部の人々は実質生産的な仕事には寄与していないという考え方が前提とされております。メンバーは生産的でなくてはならないのに、メンバーまでもが無能化してしまうといよいよ組織崩壊を免れることができなくなってきます。

人材紹介会社の中でよくあるコミュニケーションとして、メンバーは企業および候補者、そしてマネージャーを中心とした上層部とのやり取りで忙殺されています。その反面、マネージャーは外部とのやり取りが必然的に減るためコミュニケーションの対象がメンバーに集中していきます。メンバーは外部とのやり取りで忙しいにも関わらず、マネージャーからの圧力や過度な干渉に疲弊し、やがては離脱していきます。これを防ぐために、マネージャーはマネジメントの手法を適宜見直していく必要があります。

このように経営論ないし組織論を知っている如何に関わらず、同じ現象がそこらかしこで起こっております。しかし、わかっていれば未然に防げることもありますので一緒に組織を良い方向へ成長させていきましょう。
※途中、論理のすり替えを起こしてますが、そこは目を瞑っていただけると嬉しいです。

株式会社AGENT SUCCESSとは:人材紹介事業の立ち上げ及びコンサルティングを行う人材会社です。業界の経験を活かし、本質的で社会貢献性のある人材紹介を実現するためのお手伝いをさせていただきます。また、業界の負を解消し、企業・候補者・人材紹介それぞれにメリットのあるサステナブルな紹介方法を採用しておりますので、ご興味ある企業様および人材紹介会社様はお気軽にお声がけしてください。

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