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バーチャル芸人が伝える【漫才台本の覚え方】

普段と別のコンビでネタをやることになりました。私はVR空間で漫才をするのですが、ある程度の台本の内容を覚えつつも他人に見えないウインドウでこっそり台本を読むやり方をしています。しかし、今回の別の相方は台本を基本的に覚えるということでした。そこで、台本の覚え方を改めてまとめておこうと思いました。

1:数回 台本を音読

まずは全体の流れを把握します。テーマは何か、落ちは最終的にどうなるか。途中を飛ばしたとしても同じ落ちに持っていけば終わることはできますしね。

黙読ではなく音読することで、どんなテンションで読むか、どんな感情で読むかも試すことになります。

この時自分のセリフだけ読むのではなく、相方のセリフも読みます。なぜかというと、言葉には流れがあるからです。
「ありがとう」と言ったら「どういたしまして」
「もうかりまっか」と言ったら「ぼちぼちでんな」
みたいな形である程度決まった流れがありますからね。
「こんにちは」と言って「カレーライス」と返ってくる場合はほとんどありませんね。

※最近流行りのAI「chatGPT」は、このような流れを学習して本当のような文章を作るらしいです。

仲間のセリフも覚えることで、関連して自分のセリフをおぼえることができます。

台本があまりに長すぎる場合は、いくつかのブロックに分けて覚えましょう。

2:覚えにくい部分等を見つけて分析する。

読んでいくと覚えにくい部分が出てくる場合もあります。
どこからどこまでか、そしてなぜ覚えにくいのか分析します。
このことで、「覚えにくい部分」という覚え方ができます。
英単語の学習みたいですね!

2-1:不自然な流れの場合

いくら笑いを起こす漫才とはいえ、日本語として不自然な流れだとアドリブでパッと出ないかもしれません。不自然な流れで笑いが起きるなら目的達成ではあるのですが、後の流れに影響して続けられなくなってはよくないですね。
この場合は相談して台本を書き換えましょう。
どういう点がおもしろいのかが残っていれば言い換え書き換えは問題ありません。

2-2:単語の羅列の場合

これは語呂合わせや繰り返しなどを使って、英単語と同じように覚えるしかないでしょう。

2-3:噛みやすい言葉の場合

覚えるのとは別ですが、台本を読んでみると書いた時にはわからなかった言いづらい文が見つかるかもしれません。
活舌が極端に言い場合を除いて、「魔術師手術中」のような言いづらい言葉は、言いやすい言葉に書き換えましょう。
もちろん、言いづらいことから笑いにつなげるなら、がんばって口を鍛えるしかありません。
「あめんぼあかいなあいうえお」や、「外郎売」などで発声練習しておきましょう。

4:覚えにくい部分を読むことを繰り返す

覚えにくい部分を繰り返し読んで頭に入れます。

5:改めて台本全体を音読

3で修正した部分の前後で、流れがおかしい部分が見つかるかもしれません。その場合は修正のし直しです。あるいは前後の方を変更するのも手です。前後を変更したほうがおもしろいなら、前後を変更しましょう。

これを繰り返し、納得出来たら、また台本全体を音読します。
改めて話の流れを覚えます。

6:それでも忘れた時

6-1:こっそり台本を読む

VR空間ではX-overayと言うソフトなどを用いて、こっそり台本を読むことができます。漫才中に台本をこっそりスライドさせながら、忘れた時に読んでしまいましょう。

こっそり台本を読む方法はこちら


6-2:アドリブ

自分がセリフを間違える、相方が間違える場合もあります。間違えるのでなくても相方が何らかのアドリブを入れる場合もあります。その時は自分もアドリブを発動するしかありません。目的は台本通りにやる事ではありません。笑わせて会場の人たちを楽しませることです。
アドリブで元の流れに戻すもよし。新しい流れにするもよし。
今回は台本の覚え方についてなのでアドリブについてはまた別の機会に。

終わりに

現実でのお笑いも同じようなものでしょう。違いは台本をこっそり読めるかどうか。
自分でまた新しい点を見つけたり、こういう場合はどうかなど質問コメントがあったりすれば、また書き足すかもしれません。


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