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「先生、AIに仕事 取られちゃった・・・」

って、この春 就職したばかりの卒業生から連絡きたらどうします?
明日にもそんな相談が持ちかけられても不思議はないですが。

「とにかく続けることが大事だ」と繰り返すのであれば、
「続けたいのに続けられない」にも返す言葉を用意しておきたいものです。



 例えば、AIに取って代わられそうな仕事の例として 名前の挙がることが多い「コールセンター(のオペレーター)」。
つい先日も、毎年多数の生徒が就職しているという商業高校の先生にお話を聞いてきたばかりです。

AIの " オペレーターぶり " が 人間と比較してどうか、という問題とは別に、

オペレーターを務めるのがAIならば

カスハラ対策にコストをかける必要は無くなるでしょうね。
その他、
教えたことを忘れてミスしたり、モチベーションを落としたり、
休職したり 産休取ったり、不正を働いたり、
突然辞めちゃったり、ストを起こしたりもしないでしょう、
人間じゃないから

「AIに奪われる」なんて表現で語られると 拒否反応を抱きやすいですが、
クレーム対応なんて「やりたくない」、「子どもにやらせたくない」
と思っていた人 多いのでは?
いいじゃないですか、AIにやってもらったら

コールセンターは、これまでも「コストセンター」の代表と見なされてきました。
私自身 一時期「中の人」だったので、ポテンシャルも信じてきましたが
生身の人間が担うのは、もうどう考えても色々 " 合わない "。
そもそも黎明期から一貫して「離職率の高い仕事」、
「人間を出せ!」なんていうお客様がいたらそれこそ、
怒鳴り散らして鬱憤晴らししたいとか、理不尽な要求を突きつけるため
としか思えないではないですか。
AIに引き受けてもらいましょう

「 馴染みのスナックのママさん 」などとは異なり、
オペレーター業務の第一義は、本来
感情労働ではなく
問題や要望を物理的に解決・処理する機能であるはずなので、
AIが担うことは合理的に思えます。

また、例えば 直近に入った問い合わせの傾向から
大規模なリコール等トラブルの可能性をバックグラウンドで弾き出し、
アラートを出したり、応対内容を調整したり、
AIでしか出来ないことも多いように思います。


 AIだけが競争相手ではもちろんありません。

AIが登場する以前にも、消えた仕事はたくさんあります

例えば少し前まで駅の改札は人間の仕事でした。
どれだけ多くの駅員さんがその仕事に誇りを持ち、技術を磨いてきたか分からない。
駅員さんのみならず、日常の風景としての改札が消えゆくことを、切なく思った人は少なくないでしょう。

でも、とくにこれからの時代は、
今の仕事を続けることに固執することは、人生の質を落としかねません

米FRBのパウエル議長は、アメリカ経済が好調な理由のひとつとして、
アメリカでは転職が容易で、成長分野に人が移動できる点を挙げました(2024年5月14日)。

周囲も本人も「違う仕事」を始めることをネガティブに捉える風潮はすぐにでも改めていかなくては。
個人の人生の質どころではない、まさに日本沈没の危機です。
(もちろん文化や伝統を継承することとは別の話です)


 ところでひと昔前、
人手不足の業界に外国人労働者の姿が目立ってきた頃、
「そのうち、日本人に接客してもらえるのなんて、一部の上流客だけになるんだろうなぁ」といったコメントを聞いた記憶がありますが、
じゃあ今後は、

「一部のロイヤルカスタマーだけを人間が応対する?」

どうなんでしょう、個人の好みによるかと思うのですが、
例えば最高級ホテルで「人間によるもてなし」を受けることに価値を見出すお客様もいれば、
「高い金出してるんだから、ブレないサービスを確実に提供出来るAIの方がいい」と思う人もいるかも知れません。

 3Dプリンターが出てきた頃、
「未来の美容院に行ったら、
昔 銭湯に置いてあった、頭にかぶるドライヤーみたいな機械があって、
そこに頭突っ込むと 3Dプリンター的にガーッと一瞬でカットしてくれるんじゃない」
なんて話をよくしていたのですが、
それでも
「月に一回 ほんの何時間か、あの美容師さんと他愛ない会話して
丁寧にお手入れしてもらうと すごくリフレッシュする」
と思われる美容師さんは当面消えないでしょう(100年後とかは全くわからないけど)。

スナックのママさん然り、
リピート利用が想定される職業においては
人間による接客の価値もしばらくは廃れないかな?
それどころか、

「人間による接客」が「当たり前」から「付加価値」となれば

別次元で稼ぐ人も現れるかも知れませんね。


 ー 2011年の秋、当時秘書を務めていた私は
「 Siriに殺される!(=仕事を奪われる)」とFBにポストしています。
いま思えば この後の10年はまだまだ牧歌的でした…

そして chatGPTに
「私、日本の高校生なんだけど、卒業したら就職しようと思ってるんだよね、どんな仕事がいいかな?」
と尋ねてみたのが 2022年の終わり頃。

一瞬で、日本の社会状況やそれぞれの仕事の将来性まで考慮して複数の職種を提示してくれただけでなく、
お礼のメッセージを返してみたら、
「あなたが喜んでくれて本当にうれしい、でもキャリアを考えるというのは誰にとっても難しいし みんな悩むのよ、不安に思うこともあるだろうけど頑張ってね、応援しているわ!」みたいな返信が(これまた一瞬で)返ってきて、もはや しみじみと感動を覚えたものです。

ここからは、もう瞬きも出来ないくらいのスピードで変化していきますよ。
私たちはこれまで通り、
新しく楽しい活動を生み出し、
人生を豊かにし続けていきましょう

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