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初めて触れたタイBLの優しい世界

先日、「2gether THE MOVIE」を観てきました。

作品自体は知っているけれど、タイかぁ~BLかぁ~と思って手を付けていないあなた、2ヶ月前の私と一緒です。

生まれてから二十数年間、BL未着手だった私がなぜ2getherに魅了されているのか。
良かったら話を聞いていってください。
そしてこの幸福な沼へ一緒に浸かりましょう。

(前置き)BLに対する先入観

学生の時からオタクをしてきた私にとって、BLは比較的身近な存在でした。
BL作品が好きな友人は両手で数えるほどいますし、推しアイドルのファンアートで目にする機会も度々有りました。

それ故か、「BLの香りを敏感に察知し、一旦距離を取る」という一種のサバイバル術のようなものが身についていたのです。
友人たちも、あまり積極的でない私に対して布教してくることはありませんでした。
わかる人にわかればいい。BLや百合作品を愛する人たちには、そんな共通認識があるように思います。

こんな書き方をしましたが、BLコンテンツに対して拒否感のようなものを感じたことはありません。
ではなぜ手を出してこなかったかというと、私の中にこんな先入観があったからです。

・話が重い、暗い、しんどい。
⇒重度の共依存とか、やたら濃厚な絡みとか。
(どんなイメージやねん)

・登場人物に共感(感情移入)できない。
⇒同性に恋愛感情を持たない身で楽しめるか不安。

今思えば本当にただの偏見で申し訳ないのですが、当時はこんな風にBLをちょっと遠くから眺めていました。


初心者こそ、異国のBLを。

「2gether」という作品は以前から認識していました。
元々海外ドラマが好きなのと、"タイ×BL"という、当時馴染みがなかったジャンルが話題を呼んでいることに興味を引かれたのです。

前述の先入観についても、「海外ドラマ」という超非日常空間が何とかしてくれるのでは!という、うっすらとした希望が有りました。
そして実際に、しかも期待を遥かに超えて、私の先入観を取っ払ってくれたのです。

そこで私はこの説を唱えましょう。

BL初心者こそ、タイドラマ(2gether)へ入門しよう。


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初心者に勧める理由①:気軽に見られるラブコメ

実際にドラマを観たのはつい2ヶ月ほど前。
テレビ大阪朝8:30~のアジアドラマ枠での放送でした。
朝イチでボーイズラブ…?ときっと思われるでしょう。私も思いました。

見始めて驚いたのは、想像していたよりもガッツリコメディ寄りのつくりであること。(特に序盤~中盤)

愛すべき素直なアホの子達(褒めてます)が繰り広げる、ドリフか!?というベタベタなコント展開に声を出してツッコミたくなります。
このコメディ感が、タイの人たちのカラッとした雰囲気にうまくフィットしていて、見ていてとても楽しいんですよね。

上の予告映像を見ていただくと雰囲気が掴めるかもしれません。

これは朝8:30開始でも全然いけます。
朝食のおともにどうぞ。


初心者に勧める理由②:悪者がいない世界

2getherには、明確な悪者がいません。

恋のライバルは出現しますが、悪役ではなく、ただ恋に一生懸命な男の子という感じでして…。(まぁ、やり方はちょっと過激だけどね…?)
最終回でギャフンと言わせてやる!というような悪は出てこないのです。

またこれはタイのお国柄なのか?、同性愛に対して周りの人たちが(役名の無い大衆でさえも)前向きで、差別的・悲観的な描写が一切無いんですよね。

作中で主人公の兄が、主人公カップルたちを牽制する場面がありますが、それも"弟を心配する兄心"という描かれ方と感じました。なんせ最終的には兄も(以下略)ですしね。

個人的に”周囲の理解の無さ”というのは同性愛を扱う作品で苦手な部分であり、(残念ながら現時点では)避けられないものと思っていたので、2getherの優しい世界は私にとって大きな救いでした

そしてそんな優しい世界は、タイという異国で繰り広げられているからこそ、ある意味ファンタジー感なく、すっと頭に入ってくるのかなと思います。

初心者に勧める理由③:文化にふれる楽しさ

2getherは、万が一BL要素がしっくりこなかったとしても、「タイ文化にふれる楽しさ」を持ちかえってもらえる作品です。

例えばタイの大学生活(部活動)、食べ物、居住空間、どれもこれも新鮮で見飽きません。

そしてなにより音楽
タイミュージックって今まで聴いたことなかったんですが、2getherの挿入歌には不思議と心地良さやあたたかさを感じます。

なお、作中では、"scrubb"というタイのバンドの曲がふんだんに使われています。

主役がギターで弾き語ってみたり、ご本人出演のライブに参加してみたり、2getherはscrubbの音楽を中心に作られているといっても過言ではありません。
実際原作者の方が大ファンで、彼らの曲からこの作品の着想を得たとのこと。

タイって近いようで遠いというか、料理くらいしか馴染みがないじゃないですか。
このドラマを通じて、ちょっとだけタイにお近づきになれた感じがします。

異文化にふれるって楽しい。

初心者に勧める理由④:美×美

とにかく 顔が 美しい。
最初は顔の濃さに見慣れなかったのですが、
ストーリーが進むにつれ美しさに磨きがかかります。

制服の白シャツがまた映えるんですよね。
もうこれは見ていただくしか。

映画館で観た日なんか、あまりの癒し効果で梅田の雑踏すら綺麗に見えましたもんね。

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愛する相手がたまたま同性、ただそれだけ。

さて、ここまでこの作品の魅力を語ってきました。

もしもまだBLという観点で迷っている方がいれば、最後はこう声をかけてあげたいです。

これは、主人公2人の性別が同じというだけで、ほかの恋愛ドラマとなにも変わらないよ、と。

先にお話ししたように、私はこれまで『BL作品の登場人物には感情移入ができないのでは』と思っていました。
でもミクロの視点で見れば、彼らひとりひとりは普通の人間であって(当たり前)、たまたま想う相手が同性だっただけなんですよね。

人を愛したり・信じたり・時には嫉妬したり・イラついたり、そういう気持ちや行動の「芯」の部分に相手の性別って全く関係無いじゃないですか。

ドラマを観ながら、気づいたら主人公たちと一緒に笑ったり悲しんだりしている自分がいました。
観終わった今振り返ってみても、BLだからって身構える必要は何も無かったと思います。

(おまけ)映画からでも大丈夫…?

そんなに言うなら「2gether」観てみようかしら~と思ってくださった方へ

「2gether THE MOVIE」は、ドラマ版ダイジェスト+新収録シーンという構成になっています。
私はドラマ⇒映画とステップを踏んだのですが、映画からいきなり観ていただいても大丈夫です。

ダイジェストがやや駆け足なのですが、タイBLの幸福感を感じるには充分な内容となっています。
(事前にストーリーのあらすじだけ読んでおくといいかも)

映画を観終わった後、必ずドラマ版が見たくなるので、そうしたらゆっくりドラマをおさらいしていきましょう。(固い握手)

タイBL沼は来るもの拒まず、いつでもあなたを迎える用意ができています。


最後までお読みいただきありがとうございました。


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