一社以外童貞のサラリーマン社長
JTC(伝統的な日本企業)に中途入社で潜り込んで2年目に突入した。
JTCだけあって、社員のほとんどが新卒入社で勤め上げてきた人々である。
それは上司もそうだし、社長であっても例外でない。
すなわち、この会社でしか働いたことがないということであり、いわば「一社以外童貞」だ。
転職も起業も経験してきた自分にとっては、いまの会社の社員たちは、違う星の住人という気がする。
一社以外経験していないだけあって、ピュアな人が多い。
もちろん、大企業であり色んな部署があるので、一社でしか働いたことがないとは言っても、いろんな経験を積んできたのだろうが。
それでもやっぱりピュアであり、自分のような泥水をすすってきた人間とは違う。
それに加えて、社長は創業家出身というわけではなく、持ち株もさほどない。
実はあまり決定権を持っていないサラリーマン社長でしかない。
「一社以外童貞のサラリーマン社長」。
そう考えると、あまり威厳も感じなくなってくる。
正直、この環境に馴染めない部分もある。
だが、彼らのピュアさや会社への忠誠心には感心させられることも多い。
自分の経験とは違う視点を持っているからこそ、学べることもあるのかもしれない。
結局のところ、一社以外童貞だろうが、泥水をすすったような経歴の持ち主だろうが、それぞれに長所短所があるのだろう。
これからの2年目、3年目と、お互いの良いところを学び合えたらいいなと思う。
そんなことを考えながら、今日もJTCの重厚な社屋に向かう。
一社以外童貞のサラリーマン社長が待つオフィスへと。
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