本当に「読みたい」ってだけですが

「連休に読みたいマンガ」のお題が出ている。そこで本当に「読みたい」ってだけのマンガを挙げることにする。つまり、読めるアテはない。ブックオフに行ったが、見つからなかった。

CLAMPの『聖伝ーRG VEDAー』である。


これを読みたいのは、最近インド神話にハマっているからだ。
で、そういやリグヴェーダってマンガがあったな、と思い出したのである。

CLAMPといえば中二なんて言葉がなかったころから、オタクの中二ごころをたっぷりくすぐったマンガ家集団である。だから、共通言語であったとは言い難い。読む人しか読んでいなかったからである。私もCLAMPを知らなかった。ある女性に貸してもらって知った。

このマンガは、もちろん本家のリグヴェーダを踏まえている。みんなわかっているんだろうと私は思っていた。だが私に本を貸してくれた人との会話が微妙に噛み合わなかったことを思い返すと、彼女は本家のリグヴェーダを知らなかったのかもしれない。マンガ自体にも「これはインドの神話を元にしていますよ」とはひと言も書いていなかったはずだ。

これが聖闘士星矢なら、ギリシャ神話が踏まえられているということは説明不要である。ギリシャ神話の神々の名前は、星の名前や科学的な現象の名前によく使われているし、神話自体にも馴染んでいる。
だがインド神話となると、神様をいくつもあげられる人は急に減るだろう。おぼえにくい名前も多い。実はルーツがインド神話にある物語は多いのだが、インド神話そのものを扱った作品は、ギリシャ神話やキリスト教の物語ほどには多くない。

だがCLAMPはそこに目をつけた。しかも登場人物名は、たとえばインドラなら「帝釈天」というように、日本に伝えられている仰々しい漢字名のほうを採用した。そういった神々が見目麗しい姿で人間離れした技の数々を披露するのが、ファンにはたまらなかったようだ。

さて、本を貸してくれた女性は、作品を全巻そろえていなかった。なんでも、画風が少し変わったのでもう読む必要がなくなった、ということであった。
ストーリー重視な私としては、とんでもない理由でマンガを読むものだな、と思った。私も最後まで読むことができなかったわけで、少し憤慨した。

だがオタクな人たちは、キャラクター重視で作品を選ぶことが多い。実はそういう読みかた、このマンガについてはむしろ正当なんじゃないか? と今は思っている。
というのは、インド神話はヒンドゥー教の物語であり、ヒンドゥー教は多神教である。多神教では、推しの神様を選んで信仰する。
つまりキャラ重視なのだ。どの神様に人気があるかということが、伝承される物語自体にも影響を与えるほどである。

CLAMPすごいぞ。CLAMPファンもすごい。神話を神話らしく楽しんでいるじゃないか、と思えるのである。

あー、どっかで『聖伝ーRG VEDAー』を見つけて、ルックス重視で迦楼羅王とかを推しまくる連休にしたかったなー。


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