開発日誌 2021-09-09

ループするサンプルレベル、徐々に上昇するランク、死亡処理とスコアを実装して一先ずゲームとして成立するところまでは持っていったので、一旦このプロジェクトは休止してパズルゲームの制作に集中。

今回、特に深く考えずにツインスティックシューターにしたが、開発を通じてツインスティックシューターとタイムラインベースのレベルデザインは実は相性が悪いのではないか、ということが見えてきたので、この記事ではその話をする。

シューティングゲームとパターン化

今回実際にツインスティックシューターを作ってみて分かったことは「ツインスティックシューターとタイムラインベースのレベルデザインは相性が悪い」ということだ。

伝統的な縦スクロール、ないし横スクロールのシューティングゲームではタイムラインベースのレベルデザインが採用されている。このレベルデザインでは「如何に敵機を早期撃墜し有利な状況を作るか」「そのために、どの様なパターンを作るか」がそのストラテジーの中心となる。特に、敵の出現だけでなく敵の行動までタイムラインベースで駆動している場合、その傾向は顕著だ。

そして、そのストラテジーにおいてプレイヤーは「今画面上にいる敵を倒すための位置取り」「後続の敵に素早く対応するための位置取り」「敵の攻撃を凌ぐための位置取り」を場面、あるいは状況に合わせて取捨選択し、パターンを構築していくことになる。ツインスティックシューターの「いつでも好きな方向に攻撃できる」という特性は、この「自機の位置取りの戦略性」を著しく削いでしまう。

また、ツインスティックシューターの場合、プレイヤーは「右スティックでエイムする」という操作に意識を配る必要があり、このことが「敵の攻撃を凌ぐための位置取り」に集中することを難しくしてしまう。

タイムラインベースのレベルデザインの場合、上方向(または横方向)にしか攻撃できない方がプレイヤーはレベルのパターン化に集中できる。また、パターン化が済んだ後は、そのパターンを上手くトレースすることや、リソース管理に集中できる。

パターンの構築が重要なゲームといえば復活パターンで有名なグラディウスやR-TYPEが挙げられるだろう。

ツインスティックシューターはシューティングと言うより、アクションゲーム

これだけ聞くと「何を言っているんだ。シューティングゲームはアクションゲームの一派だろう」と思われる方も多いかも知れない。ここでは前述のタイムラインベースのレベルデザインを採用するゲームを狭義のシューティングゲーム、その逆の傾向が強いゲームを狭義のアクションゲームとして定義する。

ツインスティックシューターは、任意の方向に攻撃できるからこそ「如何にパターンを組むか」が重要なタイムラインベースのシューティングゲームとは対照的に「アドリブ性の高いゲームロジックとの相性が良い」。

たとえば「タイムラインベースではなく、周囲の状況を把握して行動する敵キャラクター」「遮蔽物となる地形のランダム生成」「敵のランダムスポーン」等など……

これらを代表するゲームとして、ツインスティックシューターの名作、Smash T.V.、Monolith、そしてNuclear Throneなどが挙げられるだろう。

開発を再開する時はどちらかに寄せていこう。