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【公開通知】「二人目の審問官」:『不可説のミトラ』第3章

こんにちは、深見です。文学フリマも無事に終わったことですし、『不可説のミトラ』の更新を再開します。
「二人目の審問官」(『不可説のミトラ』第3章)を公開しました。

 武装解除されたことに一拍遅れて気が付き、零夜は慌てて短剣を拾おうとする。「やめとけ、やめとけ」と、軽い調子で発されたその言葉に、威圧や嘲笑のたぐいは全く含まれていなかった。
「よく見ろ。その剣はもう限界だ」
 促されて、零夜は落ちた短剣を見る。まとった炎の熱に耐えかねたのだろう、金属までもが黒く酸化しており、それはもはや剣の形をした炭だった。

「な、落ち着けって言っただろう?」
 笑いながらそう言う男の胸に、煌めく宝石が見えた。マントの留め具の真ん中に、雫型の石が光っている。

 あの忌まわしい異端審問の場で、あれと似たものを見た記憶があった。異端を判別するための特別な石、審判石アビト・ストーン。シースの持っていた石は藍色だったが、彼の胸に輝くのは血のように赤い石だ。
「異端審問官……」
 零夜が呟くと、彼は切れ長の目を細めて笑った。

『不可説のミトラ』第3章「二人目の審問官」より一部引用


ようやく新キャラ登場です。
かなり前から構想を練っていたキャラクターなので、X(Twitter)古参フォロワーの方はご存じかもしれません。

次回の更新も早めにしたいです。


『不可説のミトラ』ってなに? という方は、こちらの記事をどうぞ。

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