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【公開通知】「打算と策略の小部屋」:『不可説のミトラ』第3章

こんにちは、深見です。
「打算と策略の小部屋」(『不可説のミトラ』第3章)を公開しました。

「俺はベルメリオ・アルカントーラ。見ての通り異端審問官で、序列は第四位だ」

 彼の印象は、同じ異端審問官であるシースとは随分違っていた。シースは物腰が柔らかく、形式ばった正しさを纏う人物だった。対して、目の前の男は正反対と言っていい。テーブルを挟んで向かいに座り、遠慮なく真正面から零夜を見つめる彼からは、気さくさと、尊大な自信がうかがえる。

 彼の髪が、炎のような赤い色だからだろうか。鉱石灯の光が当たると、赤い髪の表面に金色の光沢が輝く。その煌びやかな色調が、どことなく傲慢そうな印象に拍車をかけているのかもしれない。

 零夜は失礼にならない程度に彼を観察しながら、じっと考える。ベルメリオという男が、一体どういった人物なのか。

『不可説のミトラ』第3章「打算と策略の小部屋」より一部引用


信用できるのか? できないのか? 最後の最後まで分からない!

……というムズムズ感も好きなんですけどね。


『不可説のミトラ』ってなに? という方は、こちらの記事をどうぞ。


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