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【詩】畝と大根

こんにちは、深見です。
今日は仕事が長引いて疲れたのですが、早く帰りた過ぎて超速足になった結果、会社から自宅までの徒歩史上最速記録を叩き出しました。


畝と大根

あれを見てあなたはどう思います
畝に刺さったまんまの大根です
冬じゅうずっとほったらかしです

食べもしないなら作らなきゃあいいのにね
ちっぽけな家庭菜園の端っこですよ
それで食い扶持稼いでいるわけでもあるまいに
食べもしない大根を、冬じゅうずっとほたっといて


いやいやあれは、引っこ抜けやしませんよ
どうしてかって、あの畝と大根といったら
種のころから気が合って
芽が出たころには恥じらい合って
とうとう夜ごと愛を囁き
いずれ来る別れに涙する始末

あれをどうして引っこ抜けましょう
そっとしといてやりなさい


あれを見てあなたはどう思います
冬じゅうほったらかしになって
すっかりとうの立った大根です
畝だって霜が降りてかちこちになって
もう大根を抱きしめるしか能もありません

冬じゅうずっと一緒の畝と大根です
あれを見てどう思います
私はね
人恋しいなあって思います


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