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ちょっと怖いい話

今から11年前に我が家のアイドルだった雌猫ミクのお話です。

彼女には先天性の病気があり、この世で13か月間しか生きることが出来なかった、愛らしく心優しい天使のような子猫でした。

白い猫 こころさん

野良猫やその猫から生まれた子猫たちを育て、里親探しをするボランティアのおばあさんから譲り受け、大切に育てていました。          

ある時、私の不注意から足を骨折させてしまい、病院に通うことになったのです。

不幸中の幸いにも、検査で病気が発見されたのです。

気長に治していかないといけない病気。

治療をしたからと、長生きできる保証もないのです。

でも、見つかって良かった!

 

そんなことは知らないミク、やんちゃをしても許される、先輩猫にも甘え上手。

すっかり我が家のアイドルになっていたのです。

そして獣医さんやスタッフの方たちとも仲良しで、病院に行くためにキャリーバッグを出してくると、自分から中に入って待つ、手間をかけさせないお利口さんでした。

他の子はキャリーバッグを見た途端、サーっとどこかに隠れてしまい、病院に行くのも一苦労なのにもかかわらず。

 

私が会社から帰宅しドアのカギ穴にカギを差し込んだ瞬間、玄関の内側からニャーニャーとミクの声が聞こえるのです。

帰宅する時間を分かっていて、毎日ちゃんと玄関で待っていてくれるのです。

 

お風呂に入る時も、寝る時も一緒、トイレにも一緒についてくる、ある意味ストーカーにゃんこ。そして病気のせいでいつまで経っても大きくならない、見た目も赤ちゃんにゃんこでした。

友人が家に来ても、人見知りもまったくなく、どこかに隠れたりもしない、本当に愛想も良く美人さんの気立ての良い猫でした。

 

それから数か月が経ち、食欲の割に、ミクはどんどん体重が減っていくようになり、ついに倒れて動けなくなってしまいました。

運よくゴールデンウィークもその日で終わり、次の日は朝一で動物病院に駆け込んだのです。そこからそのまま緊急入院で、3日後には虹の橋を渡ってしまったのです。

この記事を書いている今でも、その事を思い出すたび、両目に涙が溢れてきます。

 

病院に迎えに行くと、たくさんの綺麗なお花たちに囲まれるようにして、ミクは棺のような真っ白な箱に収められていました。まだ死後硬直も無く、柔らかいのです。

 

「ミクちゃん、起きて!ほら、お家に帰るよ!」

 

呼んでも目も開けません。

その日は家に帰って、ミクちゃんを送る会を開き、大好物のキャットフードとお線香をお供えし、何度も何度も抱きしめました。

 

「今までありがとう!今まで癒してくれて感謝だよ!」

「また生まれ変わっておいで!」と。

 

先輩猫もミクが動かないことを知って、それからはまったく側に寄ることも無く、ミクとは距離をおいて遠くから見つめているのでした。

 

「おまえも、ちゃんと分かってるんだね。」

 

それからしばらくの間、私はミクロスにになってしまい、何をやるのもつまらない。帰宅して玄関に入るとミクの姿を探し、お風呂に入ろうとふと後ろからミクがついてきているかも知れないと振り返り、寝る時もずっとミクの姿を探しているのです。

 

私はその時初めてペットロスと言うものを経験したのです。

生まれてこの方、相当な数のペットと生活していたのにもかかわらず、ミクはなんとなく特別な存在だったのです。

 

ミクがこの世を去って数ヶ月が経った後、家で不思議なことが起こり始めるのです。

玄関内側のセンサーが何かに反応し、誰もいないのにライトが点灯したり、もう一匹の猫が何かを追いかけるような仕草をし出したり。

 

「ミク、まだここにいるんだね!?」

 

それからある日の夜、うとうととしながらベッドに横たわっていると、懐かしい匂いとともに花の香りがしてくるのです。

家に花は飾っていない。

 

「この香り。。。あっ、あの時ミクの周りに添えられていた百合の花、あの匂いだ!」

やはりまだ側にいてくれるんだ。

と思ったと同時に、私がミクを足止めしているのだと気がついたのです。

 「もう大丈夫だよ。ミク、ありがとう!」

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それから数か月後、ミクの命日の日。

ちょうど姪から電話があり、ミクの命日と言うこともあり、ミクの話で盛り上がっていたのです。

ミクがどんなに可愛かったかとか、可愛い割に食いしん坊で、何でも食べたとか、ああでもないこうでもないミクのよもやま話。

 

長電話の後、電話を切って気がついたのです。

見覚えのないフリーダイヤルからの着信記録。

とその瞬間、その電話の着信時間に覚えがあったのです!

 

「ちょうど1年前にミクが亡くなった時間だ!」

 

ミクはちゃんと知らせに来たのだな。。。とその時感じました。

  

今日も最後まで読んでいただきまして、どうもありがとうございました。

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イラスト・写真提供元:
白い猫 / illust AC こころさん
飾り素材090 音符のライン / illust AC オリビアさん

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