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炭酸刺繡④


 

刺 繍 雲



くらくらと首をふって

見上げると 空があった

まぶしくて

閉じこもった歴史をわすれてしまった


かの日
あなたがいなくなった日
刺繍のようなまだらの雲がいっぱいだった


あの雲はもういないんだよね

でも 雲はわたしの空の隙間


わたしだって旅したい


なにをいまさらと言われたって
放浪だと言われたって


こんな泡粒のわたしでも
きっと青空をふやせるはず



わたしのソラ


藤家 秋 さま
おおさめいただきたく候


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