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てるてる坊主 毎週ショートショートnote


てるてる坊主   【333字】

軒にぶら下がっている時は気づかなかった。
傘の仕事を減らすこと。それが僕の役割だと信じて疑わなかった。
 
日がな一日、空に向かって祈る。
雲は気まぐれ。それは今に始まったことではない。彼らはどこかで泣かなければ、悲しみが溜まり過ぎてしまうんだ。
今の僕には彼らの気持ちはわかり過ぎるほどわかるよ。
そして何よりもやさしい。
時にはひどい癇癪も起こすけど、それは誰にでも覚えはあるだろ?
 
彼らはなるべく願いを叶えようとしてくれる。無理なこともあるけどね。
僕は一生懸命頼んでる。
一日中。
それが彼らへの僕の、てるてる坊主のラブレターなんだ。
 
人間というのは忙しい動物らしく、晴れの願いを叶えるために時間を費やすことはできないらしい。

でも僕の役目もやっと終わったみたいだ。僕はゴミ箱の中にいるから。
    了



たらはかに さま
よろしくお願いいたします


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