剣道に学ぶ不条理な社会の過ごし方!

こんにちはagainです
今日は剣道に学ぶ不条理な社会の過ごし方!
と言うお話をしていきたいと思います。

前回お話ししたように剣道と言うのは、主に面と、小手と、胴という、有効打突部、すなわち叩いても良いところを先に2本取った方が勝利というルールであります。もちろん1本勝負だとか5本勝負だとか大会によって違うとは思いますが多くの大会はそのような状態なのですね。

で、その一本になるのも、気、剣、体と言うね、気迫とキレイな剣さばきそしてキレイな体制でなおかつ残心と言って打った後も気合を残して美しい所作をしないと1本にならないと言う簡単に言うとそういった基準があります。


で、その試合をさばくのが3人の審判であります。


主審が1人と副審が2人おりまして、その審判のうち2人以上が赤なら赤が1本入ったと旗
を上げると1本になるのであります。

その審判ですが、服装もきっちり決められていてね、

1.上衣は紺色(無地)とする。
2.ズボンは灰色(無地)とする。
3.ワイシャツは白色(無地)とする。
4.ネクタイはえんじ色(無地)とする。
5.靴下は紺色(無地)とする。

といった基準があるのですが、他の競技と一緒でやはり、微妙な判定もありまして、今の赤じゃなくて白が1本じゃない?などと思われる試合もたまにはあります。

てね、数年前かな、うちの子がね、わりあい大きな大会でね、決勝戦まで進んだことがあったのです。
その決勝戦、何回か当たったことのあるライバル選手。お互い相手のこともよく知っている者同士。
試合が始まってお互い静かに攻める。
そしてまさに気剣体揃った技を掛け合いながらせめぎあうのです。
そして試合時間2分結果、勝負がつかず延長戦へ。


親としては固唾を飲む思いで、ビデオカメラの向こうの2人を震える手を押さえて、祈るような思いで、その一点を凝視するのでありました。

そして試合が動いたのは延長開始からまもなく、一瞬の膠着の後、お互いが息を合わせたかのような相面!

2人ともが相手の面にめがけて渾身の1本を繰り出しました。 一瞬、我が子の方が早く入ったように見えた。


しかし審判があげた端は相手の白い旗。

一瞬ざわめく会場内。それでも勝負ありで、静かに一礼をして床に着座して、面を外しすました顔をした娘でした。
惜しくもねー、準優勝だったのですが、やっぱり本人的にはくやしかったのでしょう。

会場を後にするまではいつもと同じ様子で変わりなく閉会式にも臨んだ彼女でしたが、家族の乗り込む車の中に入り、しばらくすると泣き崩れるのでした。
周りにいるお姉ちゃんとか妹たちがね、
「あんたの方が絶対1本だったよ」
「そうよそうよ!」

なんてね剣道をしたことがない子も一緒になって慰めるんですね。
その様子を車を運転しながら聞いていましたが、さすがにこちらも目頭が熱くなりましたね。

それからああだこうだお話ししてね、結局最後は、
お前も強かったけど相手も強かった。勝負は時の運。次は誰もが認める1本を取りに行こう。
と言う話をしたような気がしますね。
今となってはとても良い思い出です。

昨今いろんなスポーツでビデオ判定などがありますが、剣道にはビデオ判定等はありません。
ビデオ判定に対しては様々な意見がありまして良いとも悪いとも言い難いところがあります。
ただ、先にあたった、あたってないとか明確な基準を求める考えも大切ですが、あえてその場の自分ではどうしようもならない基準だとか判定だとかも自己鍛錬においては必要なものなのかなと思いました。

と言うのは、社会に出たら皆さんもそうだと思いますが、白黒つけられない曖昧なことがほとんどでしょう。
きちっと正しくやっていても認められなかったり、そうじゃない方が利益を得たり、いろいろ不条理なことがありますよね。

人間その時にどう考えるか。

自分の所作を自己肯定できるか、
次はもっと良い仕事をもっと良い面をと考えられる人間でいれるかどうか。
その貴重な経験を彼女は、そしてそれを見ていた私もつんだのではないかと思いましたね。

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