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2022年映画感想

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#河合優実

映画『PLAN 75』感想 最も現実に近いディストピア

 真っ暗な未来が、すぐそこまで近づいていることを感じさせます。それでも、負けないように抗いたい。 映画『PLAN 75』感想です。  早川千絵監督が参加したオムニバス映画『十年 Ten Years Japan』の一編として発表された短編作を、早川監督自らが長編映画としてリメイクした作品。カンヌ国際映画祭で「ある視点」部門に出品され、カメラドールのスペシャルメンションに選ばれるなど、高評価を得ているそうです。  物語設定の第一印象は、藤子・F・不二雄短編集のディストピアS

映画『愛なのに』感想 ピンク映画手法の純愛コメディ

 心に童貞を飼っている人を描く作品。映画『愛なのに』感想です。  『アルプススタンドのはしの方』で知られる城定秀夫監督による最新作で、脚本を務めたのが、『愛がなんだ』『街の上で』の今泉力哉監督。お互いの脚本作品を監督し合うというプロジェクトの作品だそうで、この後に今泉力哉監督作品、城定秀夫脚本の『猫は逃げた』が公開されています。  一応、ラブコメディというジャンルの物語になるとは思いますが、そこは今泉力哉脚本というだけあって、相変わらず恋愛を良いものとしては捉えていないよ