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「黄色が好きだ」と言ってみたい

「黄色の車に乗る人とかって、ちょっと変わってそうだよね」

小さな頃に父から言われた言葉。

少女だった私は、その意見に同意しないと父と仲間になれない気がしたから、「確かにねー」と返事をした。

変な人、と父から思われるのが怖かったのだ。
だから車屋さんに行った時、ピンクの色の車を見て、
「かわいい〜!」と言った。
すぐ近くにあったクリームイエローの車に気を取られながら。

緑色


小学校高学年のころ、クラスの女の子たちの間で
「私、緑色が好き」
が流行った。

ピンクや赤に飽きてきたのかもしれなかったし、
少し大人っぽさを出したくなったのかもしれなかった。

とにかくイケてる女の子たちはみんな、緑が好きだと言うようになった。

緑を好きだと言わないと、「イケてる」と思われない気がして、例にもれず、プロフィール帳の【好きな色】の欄には【緑】と書いた。

友達からのプロフィール帳にはあまりに【緑】が多すぎて、当時の私は緑がきらいになった。
アマノジャクな性格は当時から変わっていないようだ。

赤色


赤レンジャーが苦手だ。あの真ん中に立っている感じ、全てを自分の手柄にしてしまう感じが、まぶしすぎて苦手だ。

クラスの中心にいる男の子や女の子に、苦手意識があるのと同じ感覚かもしれない。

なぜだかこちらが下手に出ないといけない気がしてくるし、意見すべてが正義に基づいているような赤色が、なんとなく、苦手である。

黄色


戦隊モノでもアイドルグループでも、いつも黄色に惹かれる。
いわゆる、天真爛漫な女の子。完璧からはほど遠く、所々抜けてるような、女の子。
ヒロインではないのだけれど、何だかんだ皆んなから愛されている、そんな女の子。

マクドナルドの黄色、コメダの黄色、オムライスの黄色、ハチミツの黄色、レモンの黄色。
どれも好きだ。

これらが違う色だったら、もっと人気出てないだろなあ、と思う。

心に明るさを運んでくれるような、
それでいてそれだけでは完璧になれず、
他の色を際立たせるような、そんな黄色。

うーん、かわいい。

咲くまで色がわからないチューリップ。


選択肢にときめくものがあったとき、真っ先にそれを選べるようになりたいと思う。

大人になる楽しみは、周りの目を気にせずに、
好きな色のもので身の回りを囲めることかもしれない。


自分らしくないとか、変だとか、子供っぽいとか、自信がないとか。
そこから自分を自分で、解放できること。
その経験を積み重ねていくこと。
周りからもらってしまった偏見を、削ぎ落としていくこと。

今プロフィール帳があったら、迷わず【黄色】と書くのになあ。
もちろんお気に入りの黄色のペンで、彩ることも忘れずに。

大人になってから母と行ったディズニー。
プーさんの服を着て、黄色のアイスを食べた。

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