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メ社設計ワークショップ「これからの多摩キャン授業を設計する」を行いました

法政大学社会学部メディア社会学科設計コースと大学院メディア環境設計研究所では、8月2日に「これからの多摩キャン授業を設計する」をオンラインで行いました。恒例となりつつあるメ社設計イベントです。

大学では2020年から新型コロナ対策で急激にオンライン授業が進みました。学生からは、「大学の授業は対面が大切だ」、「多摩キャンパスの アクセスを考えてコロナが収束しても残して欲しい」など様々な意見が寄せられ、どのようなオンライン・対面授業が「良い」のかの試行錯誤が続いています。そこで、多摩キャンパスにおけるこれからの「良い」授業について学生を含めて、みんなで考えてみました。

教員の双方向の工夫

まず、ゲスト教員の惠羅さとみさん(社会政策科学科)、李舜志さん(メディア社会学科)にオンライン授業の工夫を共有してもらいました(お二人は事前の学生アンケートで授業に工夫があると名前が挙がった方です)。

惠羅さんは、授業支援システム(LMS)であるhoppiiのクリッカー機能を使い、リアルタイムに質問をして、その結果を共有しながらzoomに感想を書き込んでもらううことで、他の受講生の発見を促していました。

李さんは、オンライン授業では冒頭につかみとして動画を流し、対面大教室では意見が出づらいので、zoomのチャットに意見を書き込んでもらう取り組みを試みていました。参加している学生に「オンデマンド授業のパワーポイントに教員の姿があるのはどうなんでしょう?」と質問していました(見やすいという反応が学生からありました)。

設計コースの教員からも、ラジオ的な雰囲気で進めている、iPadを使ってPDFにリアルタイムに書き込むなど、それぞれの工夫が共有されました。

学生には「眠い」「退屈」なオンライン授業

次のセッションでは、参加してくれた学生に、オンライン・対面の両授業への不満をシートに書いてもらい、グループワークを行いました。シートへの書き込みをユーザーローカル社のテキストマイニング結果が上の画像です。「眠い」「めんどくさい」「つまらない」「だるい」「退屈」などの反応が見て取れます。

具体的には「メリハリがなく眠い」「資料配布と同じ内容を説明するだけなので眠い」や「ただただスライドと音声が流れていくだけで退屈」「自称双方向なので退屈」という厳しい意見が相次ぎました。また、「議論が必要なら対面にしてほしい」「オンライン授業に対する熱量の低さが見える先生がいる」という意見もありました。

議論になることが多い、オンライン授業での顔出し問題では学生の意見が割れ、「顔出ししたほうが、やる気が出る」、「化粧などの必要があるから事前にきちんと告知してほしい」、「顔出しなしでもコミュニケーションできるので、必要性を感じない」、それぞれいて、まとまった傾向はありませんでした。

損や不公平を感じない授業に

コロナ直後はリアルタイム(ライブ)のオンライン授業でグループワークが成立したが、2年目以降は難しくなっているという話もありました。その理由は、オンラインと対面が入り交じったことで、キャンパスまで移動しながらスマホで授業を受けていることがあるため。

対面とオンラインの併存だけでなく、対面が1コマしかないのにキャンパスに行きたくないという意見も出ていました。アクセスが悪い多摩キャンパスの立地を考えれば、今後オンラインが一定程度残るなら対面とリアルの組み合わせなどの時間割を考慮する必要がありそうです。

興味深かったのは、「損をする」「不公平」といったような言葉が学生から出たことです。先程の顔出しにしても、教員側は「できれば顔出しで」や「無理な人は顔出さなくていいですよ」などと配慮しているのですが、学生側からは「顔出ししたほうが損」(良いか悪いかという評価は置いて)という状況を生んでいたのです。姿が見えないオンラインでは、条件を揃えることが学生の納得への鍵になりそうです。

教員が授業を楽しむこと

ワークでは学生に理想のオンライン授業を書いてもらいました。そのテキストマイニング結果が下記の図です。

動画は顔を出してほ..._wordcloud

オンラインでは「オンデマンド」が人気で、双方向性は必要。そして「先生自身が授業を楽しんでいる様子が欲しい」「楽しそうにしてくれればいい」「先生自身が楽しそうにしているのが重要」「面白い授業はだいたい先生が楽しそうに話している」との意見が最もありました。

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