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4.8〜9の私たち、と桜

4.8(土)

私が休日出勤、よっぴは夜から友達と飲みの予定だった。
22時スタートとのことで、一体何時に来るんだろう、もしかしたら来ないこともあるかもしれないと覚悟していたが、日付が変わったくらいのタイミングで我が家に来た。
「ただいまー、俺やで!」と赤い顔をして。

お互い眠かったので早々に寝る準備。
ベッドでいろいろと話しかけるも、返事が「うん…」だけになったので眠いのだと判断し就寝。翌朝聞いたら、私のほうが先に寝たらしい。
ならばあの素っ気ない返事はなんなんだ…。

4.9(日)

造幣局の桜の通り抜けを予約していた日。
早めに起きて朝ごはんを食べ、お昼も早めにしようと提案し、近所のうどん屋さんへ。花見が終わってからだと午後の予定がほぼつぶれてしまうと思ったから。

通り抜けの受付が駅から結構遠く、予約枠の時間帯に間に合わない可能性が出てきた。
私はこういうとき気が急いてイライラしてしまう。「ここまで来て入れへんかもしれん」「もっとわかりやすく案内出してくれたらいいのに」などと言い、態度にも出てしまう。
するとよっぴがぽつりと「人は年齢を重ねるとわがままになってしまうんかもしれんな」と言った。
続きを待っていると「案内を出してくれないとか不満を持つけど、少し前まではスマホもなくて自分で調べるしかなかったし」と述べた。

あぁそうか、よっぴは私がイライラして、それを若干でもよっぴにぶつけてしまっていることをやんわりと窘めてくれているんだ、とわかった。
「そうだね、教えてくれて当たり前っていうのはよくないね」と返し、気持ちを切り替え、自分の言動を反省しながら歩いた。

*誕生日ディナーに行った際も、隣の席の女性が香水をつけていることに不満を抱いた。
よっぴが「なんか甘いにおいするな」と言った際、「そうやねん。お寿司食べに来てるのにあり得へん」と小さな声で言った。つもりだった。
また、その女性が結構大きな声で話したり、私が座ってもあまりテリトリーを譲ってくれないことにもイライラしてしまった。
私としてはポーカーフェイスを装っていたつもりだったのだが、帰り道、よっぴに「ああいうときのろっかは、纏う空気感でイライラしているのがわかる」「香水の話をしたときも、結構大きめの声であり得へんって言ってたし」と注意されたことがあったばかり。

言い訳がましくなるけど、私の振る舞いは躾に厳しく、他人にも厳しかった両親の影響が多分にある。
迷い箸もねぶり箸ももちろんダメ、三角食べをしないと注意される。肘をついて食べようものなら、肘をはたかれて「ヒジ!!」と強めに言われる。残すことも許されなかったので、蕎麦を食べすぎて嘔吐し、大人になるまで蕎麦が食べられなかった。
外食の際も、待っている人がいると早く食べなさい、と無駄口を叩くこともできなかった。黙々と急いで食べるから、おいしいとか感じる暇があまりなかった。
両親は、マナーが悪いほかの客に対しても苛立ちを隠さず、「あの人の食べ方ひどいわー」「なんであんな行儀悪くて平気なんやろう」と言い合っていた。
そういう姿を見ていたから私も他人のマナーが気になるし、心がかき乱されてしまう。むしろ、そのことを悪いことだと思っていなかった。

だからといって周囲にぶつけたり、不快にさせてしまうのは絶対に違う。マナーの悪い第三者より、私のほうが質が悪い。これではまるで大嫌いなモラハラ元夫と同じではないか。

よっぴは私が傷つかないようにやんわりと言ってくれるけど、嫌な気持ちにさせてしまっているに違いない。

この日の夜、よっぴから帰宅連絡が入った際、改めてLINEで謝罪した。「イライラして、嫌な態度をとってごめん。もっと大人にならないとね」と。
すると「気にさせるようなこと言ってごめん。通り抜けも予約してくれたのに偉そうにごめん」との返事が。
どこまで優しい人なんだ。
気を遣いすぎて罪悪感を抱いてしまっている。
言ってくれることがむしろありがたいこと、だからこれからも注意してほしいこと、よっぴの穏やかなところを見習いたいと思っていることを、重くならないように伝えた。


はてさて、肝心の桜の通り抜け。
完全予約制のおかげで人も多すぎず、さまざまな種類の八重桜をじっくり見ることができた。

薄い花びらが幾重にも重なり、丸い形をしているのがめっちゃかわいらしい。
小学校の運動会などで作ったポンポンみたい。
濃いピンク色のつぼみと、淡い色合いの花びらのコントラストも美しかった。
かと思えば、黄色がかった渋いものもあったりして、よっぴと感想を言い合いながらかなり楽しめた。

濃いピンクのつほみがかわいすぎて
葉脈が見えるような
幾重にも重なる可憐な花弁
もこもこかわいい
桜ネイルとパチリ


日曜なので疲れを考慮し、ケーキだけを買ってまっすぐ帰ってきた。
アイスカフェオレを淹れてもらい、大きなシュークリームを分け合って食べる。

寝転びながら野球中継を見ていたら、ふたりとも思いっきり寝落ち。
途中でテレビの音量を落としたり、自分のいびきで起きたりしながら2時間くらいたっぷり寝た。どうして昼寝って短時間でも満足度があんなに高いんだろう。
起きたらまだヤクルト戦をしていたのでふたりでびっくりしつつ、ひたすらダラダラ。

カルディで買った諸々あったものの、徒歩1分のスーパーへの買い出しすら億劫で晩ごはんはウーバーを頼ってしまった。メキシコ料理。
値段相応かと言われるとイマイチだったが、食べ応えはあったのでとりあえず満足。
でも高いからやっぱりコスパ悪いなぁ。来週からちゃんと作ろう。

晩ごはんを食べ終え、ごろんとベッドに寝転んだよっぴが、私を呼んでいる。「ろっかこっち来て横になって!!」
イッテQのロッチ中岡を見てもらい泣き。そのあとゲラゲラ笑う。かと思えば、CMのたびに乳首を責められる。
ジェットコースターみたいな時間。

買っておいたケーキを食べたら、週末終わりの合図。
自転車で来ていたから玄関先でお見送り。よっぴが手を振りドアが閉まる瞬間がいつも切なく、無性にさみしい。取り残される気持ちになるからかな。駅で見送るときはここまで悲しくないのに。

ボタン押したら次の週末に飛べたらいいのにねー。

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