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ブランコ揺れるプールの庭とか

昼休みに歩いた街があちらこちら死んでいた。デパートの明かりは落ちていて、だから本屋も閉まっていて、人通りはまばら、休業の張り紙が立ち並ぶ通りはなんだか一瞬にして寂れてしまったようだった。
肩の荷が降りていくような毎日の下山、家に帰ると猛烈な眠気ばかりが襲って、身体がピリオドを打ちたがっているのがわかる。もうたくさんのエナジードリンクを飲んでむやみにがんばる必要も確かにないし、明日早く起きなくっちゃたくさんの人に迷惑がかかるわけでもない。それでも時間があるならと、柔軟をして身体を労ったり、本を読んだりするはずだったのに、ただ猛烈な眠気だけが大海みたいに押し寄せてくる。
今日の街と、怒りのあふれるSNSのタイムラインはシンクロしていて、やっぱり、人は判断を自分でできるようにならなくては、となんとなく思う。責任の強い仕事でも、判断することにわたしを殺し切ってはいけないんだよね、それは確かなんだけれど、わたしを殺さなくちゃ生きられないような、倫理もなにも通じないのがこの社会だって、思うことも星のようにたくさんあって。
「寝ぼけた顔 真夜中に話した夢 ブランコ揺れるプールの庭とか」
安らかな日々のこと、そんな時があったわけではないはずなのに、思い出したような気持ちになる。お風呂に入る前に目が閉じてしまいそう。身体も頭も、なんだかうまく動かないんだ。

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