日々の手触り

垂井真 放課後という出版・音楽レーベルをしています

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マガジン

  • 2024年の日記

  • 書きもの(企画・エッセイ・そのほか)

  • ラジオ(短歌会・おすすめ・そのほか)

    わたしが友人と配信しているポッドキャスト「たるいといつかのとりあえずまあ」の内容の書き起こしや要約をまとめた記事。

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放課後とは何か

✳︎ 放課後とは、わたしとあなたとの間で生まれる物語体験である ✳︎ ✳︎ 放課後は定まった座標に存在しない。それは夕暮れの歩道橋であり、深夜の河川敷であり、朝方の防波堤である。 放課後には個人の意思で訪れることができない。常に意思ではなく偶然が先立つ(偶然性がなければ物語は始まらない)。 放課後は一人で作ることができない。一人によって生まれる物語体験は内的なものである。内的な空間で起こる物語体験は、「放課後」ではなく「内的必然性を伴った営為」であり、それは例えば宮崎駿や村

    • 好きだと思った-10月の日記

      10.25 起きたくなくて昼頃まで寝る。会社の同僚から「嫌なことがあったからお昼一緒に食べたい」と連絡が来たことをきっかけとして、のすのすと起きる。40分後、タイ料理屋でガパオライスを食べながら同僚に起きた嫌なことをきいた。「垂井なら誰にも話す人がいないだろうからさあ」孤独なわたしへの流石の信頼。そもそも同僚の「嫌なこと」は人に話したくなる類のものじゃ全然なかった、ちゃんと大変なことだったから、本当にお疲れ様、としみじみ言う。帰り、コンビニに寄って同僚はドライフルーツを買い、

      • 10月の日記-まだずっと寝たい

        10.15 放課後の新しい動画をyoutubeに出す。「日帰りで」というコンセプトで作った旅先での演奏とインタビュー、それに旅の様子を織りまぜた約20分の動画。ミレーの枕子さんと共に静岡の伊東市にある「本と音楽の店 つぐみ」さんにお邪魔した。6月ごろ、初めてつぐみさんにお邪魔した時に、「この場所を使って何かをしたい」と言っていた店主のなほさん。収録中に予定の5曲が終わった時、「もう終わり!?」と叫んでくれたのが印象的だった。今度会いに行った時には家主のライブを観た話をしようと

        • 10月の日記-川と団地の駅だった

          10.8 なんだかずっと熱っぽい。仕事場まで向かう途中、音楽を聴く元気が出なくってAマッソのヤンタンを聞く。会社でいきなり降ってきた仕事に戸惑う。 10.9 東京で買った水色のガラムを吸う。フィルター甘い。ぱちぱちと音が鳴る。喫煙所の屋根に遮られた空は秋で、写真に撮る。今日もずっと熱っぽかった。 10.10 夏に撮影した動画の編集をする。あいも変わらず熱っぽい。早朝から深夜まで仕事というのが続くと、日記に書きたいと思うことがなくなる。忙しない時間は直ぐにさってしまって、書

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        放課後とは何か

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          10月の日記-ままならない

          10.1 本当に疲れてしまって、「疲れた〜〜〜〜」と大声で叫んだ、こんなふうになるんだな、人間というものは。ゾンビのように仕事場に戻った。なんか、わたしが疲れている間にミツメが活動を休止していた。ストーリーズにみんなミツメをあげていた。Fly me to the marsをわたしもあげた。 「子供のままですぐ時が過ぎて忘れた頃にまた旅に出るの」 深夜、眠れなくてやりとりしていた人に電話していいかきいたら「歓迎ムードです」「ちょっとはみがきだけする」「よきまる水産」ときたので電

          10月の日記-ままならない

          9月の日記-あたたかい朝を待っている

          9.24 今日から来週の金曜日まで休みがない。 あまりにも仕事が終わっていないのと、それでも集中をしなければならないので、私用の携帯を持たないで出勤する。この歳になってもすぐ見ちゃうからなあSNS。あと17時くらいにホットアイマスクのゆずの香りのやつで仮眠をとる。同僚に写真を撮られる。が変わらず寝る。ちょっとずつ回復しながら10時前に仕事を終える。レッドブル飲まなかったの偉かった。 9.25 喜怒哀楽全て含めた感情の容れ物が決壊したという話を先週のはじめにしたけれど、そうい

          9月の日記-あたたかい朝を待っている

          9月の日記-10階の屋上

          9.16 喜怒哀楽とか全部含めた「感情」という容れ物が決壊するような出来事が起きてしまって、自分を責めたり昔の写真を見返したり大学時代のカラオケで尾崎豊になりきっている動画をみつけては「本当にこの頃にもどりたい」と涙ぐんだりした。 ストーリーズに辛い苦しいと書いていたら、ほぼ作品を通してのみの知り合いの方から連絡がきて、電話をしてくれることになった。4時前くらいかな、まで電話をしてもらう。サーティーワン何食べますか?と聞いて聞いたことのない名前のアイスが出てきて驚いたりする。

          9月の日記-10階の屋上

          9月の日記-旅行の空き時間

          9.9 日記祭に出店することが決まったので、日記を書くということについて改めて考えていた。 わたしが日々何を感じたかということそれ自体は、前提だれも興味がないと思う。もし興味を持つとしたら、それが読んでいる人の神経を微動させた場合だろう。この微動というのは共感だけではなくて、疑問だったり怒りだったり、あるいは憧憬だったり憐憫だったりするのかもしれない。 でもそんな、あなたを微動させることなんて関係なしに、わたしはわたしの日々のために日記を必要としている。難しいことは考えずに偶

          9月の日記-旅行の空き時間

          9月の日記-わたしはそれを抱きしめながら

          9.1 頭の中、というか自分の考え方、在り方みたいなものと家の感じが全然合っていない気がして気持ちが悪い。ひとまず部屋を片付ける。段ボールをたたんで、100円ショップまで歩いていって収納をたくさん買う。積み上げている本だったり、「そこらへん」においている色んな小物だったりに居場所を与える。どうも集中が出来ないのは、生活と自分がずれているからな気がする。 9.2 引き続き会社で集中できない。早寝早起きにしてみているのだけれど、8:00にタイマーをかけても起きるかってなるのが1

          9月の日記-わたしはそれを抱きしめながら

          8月の日記-心地よい偶然に身を

          8.26 会社の歓迎会みたいなのがあった。終わったあと「…ぉつかれっした~」とそそくさと帰って文章を書いたり曲を作ったり(後日きいたら結構みんな二次会にいったらしい)。 飲み会の幹事を新人がしていたのだけれどうまいことしきれていなくって、なんだかそのことに幾人か反応していたのだけれど、その「役割がうまくできない」ということについて、心底どうでもいいと思う。どうでもいい。別に出来なくっていいし、知っていくだろうし(そのために叱られた方がいい、みたいなのも全然そう思わない。飲み会

          8月の日記-心地よい偶然に身を

          8月の日記-あなたなんかにはきっと一生分かるはずない夢です

          8.19 土曜日撮影した映像の編集を進める。出口が見えなくって4時間くらい苦しむ。なんでもそうだけど長距離走をイメージする。もうだめだ…ってなるときが絶対ある。でもなんか辿りつけるのよね。案の定2時ごろに光明がみえて、「あ、光だ〜…」と思いながら、一旦寝た。もう一生映像の編集やりたくない、って思った。毎回そう思うんだ。宮崎駿が引退会見を繰り返したの、わたしはわかります。そんな2時間のアニメみたいな大層なものつくっちゃないけど。 8.20 映像の編集が終わり、無事に出すことが

          8月の日記-あなたなんかにはきっと一生分かるはずない夢です

          8月の日記-わたしはあなたの光の反射光

          8.8 通勤途中の喫茶店でパートナーとモーニングを食べる。ホットケーキを注文してちゃんと美味しかったのだけれど「喫茶店で何か食べ物を頼むならホットケーキ」ということにしすぎてしまっている節が最近あって、安牌をとった感じが否めなかった。実際は普通にトーストが食べたかったのかもしれなかった、なんか自分が何を食べたいのかを察する能力が低いのよな。それってもしかしたら幸せなことかもしれないけど、結構自分の本質に関わる弱さだと思う。 8.9 なんかゲームがやりたくなって「ドラゴンクエ

          8月の日記-わたしはあなたの光の反射光

          8月の日記-もちろんわたしたちの美しさが損なわれることはない

          8.1 仕事で富士山を撮りにいったのに富士山がみえなくって、「いや、流石に、ちょっと待ちます」とカメラマンに言ってはみたんだけれど一向に埒が明かず、帰りの車で「これは、合成では?」「いらすとやで緑の三角形あればそれでいけるっしょ」などと有る事無い事へらへら喋りながら成果のなさを紛らわしたりした。 あまりにも豊かな言葉を話す人と話をした。ずっとそのことについて考えてきたのだろう、とお話を聞きながら思った。洗練されていながら、美しく、そして何より、少しでも「そこ」を捉えようとする

          8月の日記-もちろんわたしたちの美しさが損なわれることはない

          7月の日記-明るくってさみしい

          7.23 昼頃まで起きられない。夏に完全に敗北して、「自律神経の乱れ」というやつを実感している。在宅勤務を朦朧となりながらして、在宅だけではできないことがあるので19時ごろに仕事に出る。0時前くらいに帰宅。深夜、人と恋についての電話をする。モーツァルトみたいに寂しいな、アルバン・ベルク四重奏団きちゃうよ、とか調子に乗っていう。相手は何もわかっていないのに自分だけで楽しんでしまうところがあり、そういう自分が本当に嫌いだけれど、その嫌いな感じすら許せてしまうくらいの深夜まで電話を

          7月の日記-明るくってさみしい

          7月の日記-たわわちゃんって永遠だと思ってた

          7.16 会社の最も仲良かった上司が東京に異動になって、わたしを見るなり笑い出したから「なんすか」とつっかかると「いやあ、なんか、まだあった時の頃さ?なんか注意されてたよね服装、それ思い出してさ、なんか、」みたいな思い出トークはじめたので、「何思い出畳み始めてんすか、セルフ走馬灯みたいなの、それ絶対やめてください、なんか泣きたくなるんで」と強めの口調で言った。笑ってた。 7.17 最近ちょっと身体がおかしくて、眠くなる時に「プツッ」って眠くなってしまう。午後それになってしま

          7月の日記-たわわちゃんって永遠だと思ってた

          7月の日記-だからいったじゃん

          7.8 朝から晩まで仕事。出張先でずっと気を張っていたからホテルに戻った時にはくたくたになっていた。上手く決まっていない企画について考えたくてMacを開いたけど気がついたらイナズマイレブンの実況をみている。三人で繰り出す必殺技が決まってゴールネットが揺れる。まばたきをしてうすいため息。 7.9 東京での仕事は今日まで。飲み会に誘われて、楽しかったけれどすこぶる疲れた。ベッドに服を着たまま横になる。明日は一日休み。国立美術館に内藤礼の展示を見にいく約束をする。2時ごろのそのそ

          7月の日記-だからいったじゃん