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少しあけた夜窓から

久しぶりに母校(高校)のあたりを散歩した。ずっとあるだろうな、と思っていたお店がなくなっていたり、あれ、このお店はまだあるんだ、というようなこともあった。結構駅から距離あったんだね…といまさらのように感じて、もう随分と昔の話であることが急にせまってくる。

今朝ダウンロードしたアルバムは、あまりにも爽やかで軽妙なリズムで、まるで若さこそが風をあつめる一番の秘訣だとでもいうかのように、気持ちよさそうに歌っている。「ちょっと照れ臭いけど、明日も会えるんだから」。わたしまで随分と気持ちよくなって、マスクをしなくてはいけないし、気をつけなければならないことはたくさんあるけれど、ほら、外を歩くのはこんなにも楽しい。

晩ご飯のあと、ふと思いたってベランダに干してある乾拭き用の布を取りに行ったとき、少しあけた夜窓から吹きこむ豊潤な夜の香りにめまいがした。

高校生のころ、どうなっていくか、ばかりに目線をとられていたけれど、もうそろそろ、「こうである」という生活を、うまく好きに、もっと好きに、なっていけたらいい。

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