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ひとりでに込み上げる嬉しさ

まことの個人レーベル「放課後スタジオ」から新しいアルバムがリリースされる。大切なリリースなのに、直前までバタバタとしていたり、色々と抜けがあったりして「なんでこんなときにかぎってぇ〜」と嘆いてはみたものの、そもそも沢山の経験があるわけではないのだし、トラブルって大抵「こんなときにかぎって」起こるものだし、落ち着きたまえよわたしって慰めるけどその声はよわい。

ミレーの枕子さんの弾き語り。録りたいって連絡をしたのは3月の下旬で、わたしはその頃三鷹駅のスタバに入り浸ってばかりいて、お手洗いにいくエスカレーターで送信ボタンを押したのを覚えている。そのあとすぐに返信をくれてとてもうれしかった。今さら友だちのことをどうこういうのもおかしいけれど、音楽と普段話すときの人柄が繋がっている、というか、風通しがよくって、自然に生きることを大切にしている人なんだなと折に触れて感じる。
「こうなりたい」とか「こうじゃなきゃ」って感じじゃなくて。わたしが失いがちなそういう心もちが尊くて、アルバムを出せてよかったって、改めて。

午前中、バスに乗って外をぼんやりと眺めていたら、嘘のようなまぶしさで、たまらず家にこもることにして、夜までなにかと作業をしていた。作業のコツはやれる時も辛いときも一定の速度を保つことだ。久しぶりだったからそれを忘れてて、随分とせかせか連絡をとったり企画の準備をしたりして、疲れてしまった。
ベッドでしばらく横になってから、昔好きだった漫画を読んで、面白いけれど胸を前より打たれないことに気がついて、ふ〜む、なぜじゃろうか、とひと時考えていたら、ミレーの枕子さんから連絡があって、インスタライブがはじまって、あれよあれよというまにアルバムと美しいMVがリリースされる。

わたしは『その心』という曲の、
「ひとりでに込み上げる嬉しさは もったいないほど煌めいて 眩しくて目が開かない」
という、ちょっと暴力的なまでに力強い歌詞がわけもなく好きだ。

ミレーの枕子 1st album『新芽』

20210819

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