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溢れる言葉では 表せないのさ

 今は月曜の朝で、通勤ラッシュに飽き飽きして一本後の電車を待っているところで、そしてここには土曜日ことについて書く。昨日、なんか異常に首が痛くて、スマホを見れなかったので書くのを諦めて湿布貼って寝た。
 土曜日は、そういえば多摩センターにある縄文文化センターみたいなのに行った。思った以上に本格的で、竪穴式住居に実際に入ってみることができた。
 藁葺き屋根の下、小さめの入り口を屈みながら潜ると、途端に冷ややかな空気と暗闇が、心地よい形で立ち現れる。不思議と落ち着くって感じで、外の忙しない鳥の声だとかが遠くに響いていて、いいな、と思った。
 施設は東京都埋蔵文化財センターでもあり、沢山の研究者が日々訪れては研究しているのだろう。恐ろしきというべきかなんというべきか、そのセンターはサンリオピューロランドの隣にあって、ファンタジーの方向性が違すぎるだろ!とツッコミながら、サンリオの前をしずしずと歩く研究者の後ろ姿をぼんやりと思った。

「君との出会いは 特別に覚えている
溢れる言葉では 表せないのさ」

多摩センターへ向かう前、心の中で微笑みたくなるようなアルバムを聴きながら、一向に進まないバスでぼんやりと外を眺めていた。どこまでも不安定な天気と一向に進まないバス、車内の人の苛立ちがだんだんと募るのを肌で感じながら、それでも自分が、あくまで健やかであるためには、この季節の中でどうすればいいのかなぁ、と思えば思うほど暗くなっていくから、音楽だけに意識を向けた。それは多分、とても良い方向性の諦めだったと思う。

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