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4年間のBtoB無形商材営業経験から見えた「見えない」モノの売り方

以前、研修の売り方について書いたのですが、今回はもう少し、要素を抽出して、BtoB無形商材全般について書いていこうと思います。私の4年間のBtoB無形商材営業経験から、「受注につながった提案パターン」をまとめて、ご紹介できればと思います。

・BtoB無形商材営業に関わる20代の方
・相手の心を動かす提案がなかなか作れない方

こんな方に読んでほしい!!

そもそもなぜ、BtoB無形商材の営業は難しいと言われるのか?

私が思うに、主に3つの理由があります。

①モノが見えない

引用:https://www.kamada.co.jp/recipe/list/3191

例えば、上の写真を見せられながら、「これどう?300円」と言われるのと、ただ手ぶらで「甘辛キムチ卵かけご飯ってどう?300円」と言われる場合、どちらが購買意欲が高まりますか?

前者かなと思います。甘辛キムチ卵かけご飯の場合、実物を見せやすいですが、私が販売していた研修などのBtoB無形商材は実物を見せるのが比較的困難なため、体験会を実施するなどしてとにかく、イメージしてもらうことに必死でした。裏を返すと、体験会などの武器なしに、商談の中で相手にイメージしてもらう営業を経験できたことが、私にとって大きな財産です。

②成果が見えない

①に付随しますが、相手からすると、対価を払って、手に入るものが見えにくい場合があります。例えば、500mlの水1本に100円を支払った場合、その水1本が確実に手に入ります。一方で、「1年目研修に100万円払うと、新卒入社3年間の離職率が低下します」と言われたとしても、「本当に?」と懐疑的になってしまいがちです。そのくらい、施策と成果の因果関係を示すことが困難なのが、BtoB無形商材です。

③ステークホルダーが見えない

これはBtoB特有ですが、検討担当者と決裁者が違う場合があります。その場合、「誰がこの意思決定に関与するのか?」を把握し、「誰がGOを出すのか?」を見極め、「仮に、その方にこの提案を見せた場合、どんなFBが来るのか?」を意識しながら、メタ的な視点で営業する必要があります。その点が「営業する相手=決裁者」ことが多いBtoC営業との違いです。

BtoB無形商材提案の3つの型

つまり、ステークホルダーを巻き込み、モノと成果をはっきりとイメージさせる提案をすることが重要なのですが、私の経験則から3つにまとめました。参考程度にご覧ください。

コンセプト型

無形商材はとにかくコンセプトです。「500mlの水=喉を潤すために人間に必要不可欠な水分補給」「ユニクロ=Life Wear/あらゆる人の生活を、より豊かにするための服。」のように、「うちの商品は何なのか?」「購入すると何が手に入るのか?」を言語化・可視化することがコンセプトです。

この場合、「セルフマネジメント力」を身につけるというコンセプトをもとに、セルフマネジメント力の構成要素2つ(緑)→身に付くスタンスとスキル4つ(青)→対応するプログラム4つ(赤)という順序で因数分解した図です。こうすることで相手は、「このプログラムを受けると、セルフマネジメント力が身について、その具体的なプログラムはこれなんだ!」とイメージすることができます。実際には、ここからより具体的に提供するコンテンツの説明を行います。

スキルマップ型

手に入るものをなるべく、具体的に、かつ網羅的に示す手法です。

これは、OJT担当へ研修を実施する際に、作成したスキルマップです。一流のOJT担当になるために必要な要素を網羅的に記載している一覧表です。こうすることで相手は、「OJTに必要なスキルはこれで、これらをすべて提供してくれるんだ!」と腹落ちし、イメージしやすくなります。もちろん、このスキルマップに抜け漏れがあってはいけません。提供するものを一覧化することが大切だということをご理解いただければ幸いです。

ホップ-ステップ-ジャンプ型

時系列順に、未来をみせる手法です。

部下に関心のないマネージャーがマネジメントできるようになるためのプログラムを提案した際の事例になります。「知る→理解する→行動する」という一流のマネージャーになるまでの3ステップを示すことで、プログラムを受ける人が変容していく様をイメージしてもらいます。

まとめ

結論は、先に述べたように、ステークホルダーを巻き込み、モノと成果をはっきりとイメージさせる提案をすることが重要ということです。ベースが研修営業の手法になっておりますが、

「つまり」を示すコンセプト型
提供物を網羅的に示すスキルマップ型
階段で未来を示すホップ-ステップ-ジャンプ型

の3つだと思っていただければ、その他のBtoB無形商材営業に活用できる提案手法かなと思います。


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