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片親疎外は虐待親の方便?存在しない?

片親疎外への反論

片親疎外のコンセプトそのものを否定する人達がいます。
法廷や調停で片親疎外と戦う標的親(疎外を受ける親)は、どういう論拠で否定をしているのかを知り、これに備えて下さい。相手側がこれを使ってくる可能性に備えましょう。
長めの記事になります。


片親疎外とは

片親疎外(Parental Alienation)とは、子どもが一方の親からの悪口などの洗脳により、もう一方の親を拒絶したり嫌う精神状態を指します。このような特殊な精神状態にある子どもを定義する言葉です。拒絶される十分な理由がないにも関わらず子どもが一方の親を拒絶している状態です。離婚や別居をきっかけにして一方の親による洗脳が始まるケースが多いとされています。標的親は、離婚・親権裁判や調停の場で「子どもから自分へ向けられた拒絶」が片親疎外によることを証明する必要に迫られることがあります。その場合、片親疎外の否定論への準備が必要です。
片親疎外の科学的証明法はこちらです。片親疎外の過程で何が起きるのかもこの記事からある程度分かります。

片親疎外否定論

こちらは国連への報告です。
片親疎外のコンセプトごと否定する論調はだいたい以下のものが多いです。僕が調べた限りはこの論調しかありません。

原文

The report demonstrates how the discredited and unscientific pseudo-concept of parental alienation is used in family law proceedings by abusers as a tool to continue their abuse and coercion and to undermine and discredit allegations of domestic violence made by mothers who are trying to keep their children safe. It also shows how the standard of the best interest of the child is violated by imposing contact between a child and one or both parents and by prioritizing it, even where there is evidence of domestic violence. Predominantly as a result of the lack of training and gender bias and of access to legal support, the custody of children may be awarded to perpetrators of violence, despite evidence of a history of domestic and/or sexual abuse. The risks of such consequences are compounded for women from marginalized groups in society. The report elaborates on systemic issues that lead to additional barriers to justice. Judges and evaluators need to move away from focusing on the identification of behaviors that are contested within the discipline of psychology and towards a focus on the specific facts and contexts of each case.

邦訳

虐待者が虐待と強制を継続し、子どもの安全を守ろうとする母親によるDVの申し立てを虚偽とし、信用を失墜させるための道具として、信用のない非科学的な疑似概念である片親疎外が、家庭法の裁定にいかに利用されているかを報告する。DVの証拠がある場合でも、子どもと両親の一方または両方との接触を強制し、それを優先させることによって、子どもの最善の利益が脅かされる。主に、知識や法的支援への欠如の結果として、DVや性的虐待の証拠がある場合でも子どもの親権が虐待親に与えられる。社会から疎外された集団に属する女性にとって、このような結果のリスクはさらに深刻であり問題である。裁判官と評価者は、心理学の学問領域で論争中の片親疎外の評価をすべきではなく、各事件の具体的な事実と文脈に焦点を当てる方向に進む必要がある。

ごく簡単に要約

父親のDVから子連れ避難した母親から、DV(父)親が子供を連れ戻すための方便として、非科学的な「片親疎外」の概念を利用している。

ここから、片親疎外は非科学であるとか、そもそも片親疎外は存在しないと主張する人達が出てくるわけです。また、国連が正式に片親疎外を否定したと解釈する人達もいます。

ここでは国連への報告を取り上げましたが、片親疎外のコンセプトの否定論はどれも似たようなものです。虐待父親が、子供を守ろうとする母親から、子供を取り戻すための方便であるとの主張です。

対策

これは報告と提案であって、国連が正式に片親疎外を否定したということではありません。覚えておきましょう。そして、相手が国連で否定されていると言ってきたら、はっきりと報告であって採択された訳でも、国連が正式に片親疎外を否定したのでもないと反論しましょう。この文章には、片親疎外を否定したり、非科学だとする論拠が全く述べられておらず、「非科学的な疑似概念の」といきなり形容詞として使われおり、否定論にすらなっていません。否定するならば、否定する論拠を述べなくてはいけないので、この文章は、片親疎外を否定するための文章ではありません。また、この報告自体が、かなり先入観と思想の偏りがあることを主張しても良いでしょう。もう、お分かりでしょうが、DV加害者は父親であるとの偏見が強く表れています。子連れ避難するのは母親との偏見が強く出ています。DV加害女性もいるでしょうし、連れ去り被害を受ける母親もいます。偏っています。この報告をした人は、自身のフェミ思想を主張するためにこの報告を行ったと考えられます。つまり、片親疎外が非科学だと心から信じ、これを国連で訴えることが重要だと信じているのでありません。自身のフェミ思想を主張するための道具として「片親疎外への否定」を行っています。片親疎外が非科学だと主張するなら、男女ともに加害者、被害者がいることを踏まえての報告となるはずです。「男性支配からの女性の脱却」のフェミ思想が入るので、連れ去りDV避難をするのは女性であると決めつけ、これを擁護し、連れ去られた女性は擁護しません。この文章は、
ためのものではありません。
このあたりをきちんと主張しましょう。
是非、片親疎外を否定論を読んで下さい。片親疎外の否定は単なる道具の位置づけであることが良く分かります。このような反論も良いと思います。

アメリカ精神病学会の見解

アメリカ精神病学会の発表

アメリカ精神病学会の発表を論拠に片親疎外を否定する人もいます。
こちらです
An American Psychological Association 1996 Presidential Task Force on Violence and the Family noted the lack of data to support so-called "parental alienation syndrome", and raised concern about the term's use. However, we have no official position on the purported syndrome.

邦訳

米国精神医学会は、片親疎外症候群を裏付ける証拠の欠如を指摘し、この用語の使用を懸念している。しかし、我々は、この症候群に対するいかなる立場も取りません。

対策

これを使い米国精神医学会が片親疎外を正式に否定したと主張する人達がいます。しかし、重要なのは、"我々は、この症候群に対するいかなる立場も取りません"の部分です。つまり、良く分からないから、肯定も否定もしないと言っている訳です。また、片親疎外が存在しないとか非科学であると言っている訳でもありません。「症候群」と言えるだけの証拠がないから、片親疎外症候群の名称を使うことを懸念していると主張しています。
相手がこれを使ってきたら、米国精神医学会は、片親疎外を否定した訳ではない、分からないから肯定も否定もしないと真摯な態度をとっているだけだと反論しましょう。また、症候群の名称を懸念しているだけで、私も症候群の名称は適切でないと思っていますと反論しましょう。
僕は医生物学の研究者なので、もう一つ加えます。科学的に何かの存在を証明することよりも、存在しないことを証明する方が難しいです。非存在の証明は基本的に不可能と考えて良いです。例えば、宇宙人の存在を証明するには、宇宙人を連れてきて、ほらいるでしょ、とすれば良いので簡単です。しかし、宇宙人を連れてこれないから、宇宙人は存在しないとは結論付けられません。この場に連れて来れないだけで、どこか宇宙の彼方にいるかもしれないじゃんとなります。
そもそも米国精神医学会は片親疎外を肯定も否定もしていないこと。科学的に非存在を示すのはほぼ不可能だと反論すれば良いと思います。

片親疎外症候群

Dr. Richard Gardner

片親疎外は、精神医学者のDr. Richard Gardnerにより「片親疎外症候群」として提唱されました。その後、疾患や病気のような名称を使うのは、適切ではないとなり、症候群はやめて「片親疎外」の名称が定着してきました。先のアメリカ精神病学会の発表もこの流れで読むと良く分かります。
Dr. Gardnerは、自殺を図るなど、いわゆる少しお騒がせな人だったようです。長い間、片親疎外の判定をしてきたケースの中には、疑惑のケースもあります。つまり、子供を虐待親へ引き取らせた疑惑の残るケースです。子供が標的親へ引き取られた直後に絶望し自殺したなどです。ただ、この場合も、Dr. Gardnerが評価を誤り虐待親を見抜けなったのか、疎外親による標的親は危険な虐待親であるとの洗脳を子供が信じ切って絶望したのかは僕は調べることが出来ませんでした。
いづれにせよ、Dr. Gardnerの提唱した「症候群」の名称が使われなくなったこと、お騒がせな性格、疑惑のケースがごちゃごちゃとなり、彼自身への人格否定へ繋がりました。そこから飛躍して「片親疎外症候群はあの変な人が言い出したことでしょ」と片親疎外のコンセプトの否定への印象操作に使う人が出て来ました。また、「症候群」の名称が使われなくなったことから→片親疎外症候群が否定された→片親疎外が否定されたとの飛躍も出て来ました。

対策

片親疎外症候群の名称を絶対に使わないで下さい。裁判や調停では時間が限られます。Dr. Gardnerがどんな人だったのか、片親疎外の名称がどのような歴史的は経緯を辿ったのかを議論する時間はありません。不要な非難を避けるため、症候群は絶対使わないようにして下さい。
「片親疎外症候群」と言えば、鬼の首を獲ったかのように、相手は、そんなものは存在しないと言ってくるかもしれません。実際には、揚げ足取りなのですが、そんな不毛な議論をしている時間はありません。症候群は絶対に使わないで下さい。
片親疎外の用語も可能な限り使わないようにしましょう。例えば、「親と子の関係を妨害することは酷い児童虐待です。」のように片親疎外の用語を使わない表現を心掛けましょう。片親疎外を多用すると調停員や裁判感が慣れてしまい脱感作し、大した問題ではないように勘違いし始めるからです。

一般論での対策

片親疎外は存在しない

このNote記事を読んでいる人の多くは、片親疎外の標的親だと思います。片親疎外は100%存在すると言い切れると思います。僕も標的親なので存在すると言い切れます。片親疎外そのものが存在しないのでは?という反論への対策は簡単です。
「片親疎外の被害を訴えている被害者が多くいる」です。これだけたくさんの人が、みんなでありもしない片親疎外をでっち上げるために口裏を合わせて嘘をついているなんてありえません。

虐待親の方便

最初の論議です。片親疎外は、虐待親が、子供を守ろうとする親から、子供を連れ戻すための方便である。子供を連れ戻したい、親権や監護権が欲しい、あなたにメリットがあるから「片親疎外」なんてありもしないこと言っているのでしょ?の非難です。子供を救い出そう、連れ戻そうとする標的親にとっては、痛い非難で、反論に困るかもしれません。
これに対する反論ですが「子供の立場で片親疎外の被害経験を告白している(元)子供達が多くいる」です。この人達は、片親疎外の被害を訴えても、子供を連れ戻す、親権や監護権を得るなどのメリットは一切ありません。純粋に他の、そして、これからの子供達に自分と同じ思いをして欲しくない、または、洗脳されたとは言え、実の親を理由もなく拒絶したことへの謝罪の気持ちだけで訴えています。この片親疎外の被害を訴えてもメリットを得られない多くの人達が、ありもしない片親疎外をでっち上げるために口裏を合わせて嘘をついているなんてありえません。

片親疎外と虚偽片親疎外

片親疎外は虐待親が子供を連れ戻す方便であるの批判に対して実際はどうなっているのかについて公平で現実的な立場と認識を示すことも大事です。
以下は僕の見解ですが正しいと思います。
実際のDVと虚偽DVがあるように、実際の片親疎外もあれば虚偽片親疎外もある。「片親疎外はすべて嘘だ方便だ」も、「これを利用して子供を連れ戻そうとする人なんていない」も偏り過ぎた主張です。
どちらもあることを認めた上で自分のケースの精査を求めるのが良いと思います。
また、DVと虚偽DVの関係が、片親疎外と虚偽片親疎外の関係にも当てはまりす。DVが実在するから、これをでっち上げる虚偽DV告発があります。片親疎外も同じです。片親疎外を行う疎外親が実在するから、これをでっち上げる虚偽片親疎外告発があるのです。片親疎外だけが、すべてが虚偽だというのは論理的にあり得ません。本物のヴィトンのバックがあるから、その偽物があるのです。この世のすべてのヴィトンのバックが偽物なんてあり得ないことは誰にでも分かります。本物の無い所に偽物は存在しません。
「片親疎外はすべて嘘だ方便だ」と言われても焦らず、落ち着いて対応しましょう。

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さいごに

断言します。片親疎外は存在します。
片親疎外のコンセプトそのものへの批判には自信を持って反論して下さい。この被害を訴えているのは自分だけではない。子供の立場での被害を訴えている人も多くいる。しかも、日本だけでなく世界中で報告されている。この人たちが国境を越えて口裏を合わせて嘘をついているなんてありえない。むしろ、国籍や文化を超えて、人間に備わった条件反射のようなものだと考える方が妥当です。ですから、疎外親はスタンプを押したように国境を越え文化を超え同じことします。
子供は可愛い愛おしい。相手は憎い。愛しい我が子を憎い相手に渡したくない。これが片親疎外の原動力と主張する人もおり理解は出来ます。

かなり長い記事になってしまいました。なぜかと言うと、片親疎外への否定論や非科学論は、屁理屈なのです。屁理屈を正すのは大変です。

この片親疎外の否定論議について、まだまだ、知識が足りない部分があります。それでもこの情報を必要とする人がいると思い、現在持ち合わせの全身全霊を使い書きました。追加すべき情報やご批判お待ちしております。

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