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同じ空間で飯を食う

再開したとの噂をききつけ、
高円寺にある小さな古本屋さん兼小料理屋さんを訪れた。

私は1人で、あとはカウンターに常連の1名お客さん。
店主さんは交代制で実は初めましての方で、私は完全にアウェイー。
小説読みながら、久しぶりにお酒を飲むかと思ったのだが。
気付けは隣のお客さんと店主さんと、映画における違和感の正体や、文化的に面白い土地ができる背景について2時間語り合っていた。
(20:00閉店でなければ深夜まで話し込むところだった)

元々社交的な方ではあるが、とはいえ初対面の人と数時間自論を展開し合うなんてことそうそうあるものではない。
しかも、年齢も性別も職業も全く異なる=知識も経験も全く異なる。
(29歳IT勤務女性と50歳前後の男性編集者と店主さん)
それなのに話が弾んだのは、「店を訪れる=価値観が類似している」という関係性が成立したからだろう。

コンビニには様々な目的をもって人が集まっており、価値観を同じ人を見つけるのは難しい。一方、独自の視点が漂う店の場合、入るためのハードルがあり、空間にいる=感受性が近いという現象が生じるのだろう。
そして類似の店が少なければ少ないほど、より集まる精度が高まる。
(例えば、インスタ映えするケーキ屋とカフェがあっても本質は同じで、その店でなくても良い=絞り込みされない)

久々のお出かけで夜風にふかれながら、その場にいるだけで互いの感性の方向性が一致する。そんな場所が一つでも多く残って欲しいし、自分に合った場所を見つけていきたいと改めて思ったのであった。

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~~~~~~ おまけ~~~~~~

そんな不思議な出会いの帰り際、
関西を恋しがっていた私に店主さんが伝えた一言。

「京都の左京区と高円寺は地下で繋がっている」
                                                            - 高円寺にあるとあるお店の店主さん
*京都の左京区は京大や芸大のあるエリアで、少しヒッピー感のあるカルチャーエリア

表現系は似てなくとも我を突き進める姿は似ているし、どこかで繋がっているのも間違いではないなと。
そして実際繋がってたら面白いなと思い思わず笑みが溢れた。
そんな空想で楽しめるのも、同じ空間で飯を食う仲間だからなのだろう。

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