AirPlug™️が世界中に普及している未来からの逆算で描く知財戦略【知財戦略リーダー:羽矢﨑聡】
「技術」を武器に勝負する企業にとって、事業の生死を分けるのが知的財産戦略です。世界が注目する長距離ワイヤレス給電の最先端技術【AirPlug™️】を軸に、全方位から優秀なエンジニアが結集しているエイターリンクでは、グローバル事業で勝ち抜くために、創業当初から知財戦略に取り組んでいます。そのリーダーとして重責を担っているのが、今回ご紹介する羽矢﨑聡さんです。(note編集部)
ToBe〜あるべき姿〜からの逆算で描く知財戦略
「エイターリンクが知財を重要視する姿勢は、非常に突き抜けています。将来の圧倒的な事業成長を明確に描き、その事業を守り、成長させる要として明確に位置づけられた知的財産戦略。これほどダイナミックに描ける機会は二度と無い、これは伝説になります。」(羽矢﨑さん)
NTTドコモで20年にわたり「事業で勝つための知財戦略」に取り組んできた羽矢﨑さんをエイターリンクに引き合わせたのは、かつて同僚だった野村直児さん(エイターリンク リード投資家・社外取締役)。当初は外部アドバイザーとして関わっていましたが、圧倒的に成長していく事業、組織、メンバーの活躍に目を見張るものを感じ、自分自身も外部からのアドバイスに留まらず、内部でみずから知財戦略を実行・貢献していくべきだと転職を決めたそうです。
「ややもすればリスク回避のため保険的、管理活動としての知財活動が多い中、エイターリンクはToBe(理想の姿)から逆算し、『世界トップ企業として必要な特許・意匠・商標とは何か』を創業当初から真剣に考えている、類い稀なるスタートアップだと思います」と羽矢﨑さん。手段・手続きありきの特許管理ではなく、経営戦略・事業計画の実行に貢献したいという思い悩んだ人こそ、夢をもって力を発揮できる絶好の職場だと声を弾ませます。
「技術があったのに、事業化できず他社に先を越されてしまった…、事業で先行していたのにあっという間に競合が模倣してきた。などという苦い経験を持つ方は少なくないでしょう。いくら優れた技術・事業を開発しても、その技術で勝てるビジネスモデルと具体的な事業・知財戦略を描けなければ負けてしまう。だからこそ、先の先まで見据えた知財戦略を考え実行し続けることが必要なのです」
あっという間に勢力図が塗り替えられてしまうビジネスの世界で生き抜くには、どのような知財戦略が必要なのでしょうか。羽矢﨑さんは、2003年に「知的財産基本法」が成立する前から、第一線の実務家とともに研究・実践を積み重ねてきました。
知財を生かした経営戦略の実行をめざして
経営者を志し、東京理科大学で知的資産を活かした経営戦略の研究に取り組んできた羽矢﨑さん。国境を超えたインターネットビジネスが急速に拡大し、『ビジネスモデル特許戦略』(柴田英寿、伊原智人)が大きな反響を呼んだ2000年当時、大学生だった羽矢﨑さんは、インターネットビジネス会社の創業期に参加し、事業で勝つための戦略を模索していました。
その中で巡り合ったのが、日立製作所(当時)の柴田英寿氏が「ビジネスモデル特許戦略」の書籍をきっかけに立ち上げた民間の研究会「ビジネスIPR」。羽矢﨑さんは学生代表として活動の中核を担い、様々な事業戦略・技術戦略をケーススタディしながら、知的財産を生み出し、守り続けていける経営のあり方について知見を深めていったそうです。
さらに、通産省通商産業研究所(現:経済産業研究所)での政策アシスタント経験を積んだ後、2002年、世界で初めて携帯電話を利用したインターネットビジネスモデル「iモード」を誕生させたNTTドコモに入社。
入社3年目以降は、働きながら2つの専門職大学院に足かけ6年間通い、日本の知財戦略の礎を築いた丸島儀一先生(丸島特許事務所所長、元キヤノン株式会社専務取締役)に師事しながら、自身の現場である知的財産戦略・新事業創出の課題と向き合ってきました。
「知財戦略は、知財部門だけで実行できるものではありません。中長期的な経営戦略のもと、研究開発部門・事業部門・知財部門が心ひとつに取り組んだとき、初めて圧倒的な勝利への扉が開かれるんです」(羽矢﨑さん)
2008年にはiPhoneが電話を再発明し、携帯電話市場の勢力図が一変。さらに2011年、東日本大震災で通信インフラが大打撃を受ける中、電話回線を使わない無料通話アプリ「LINE」が誕生。10年足らずで国内ユーザー数が8600万人と急速に普及しました。こうした出来事を通じて新事業創出・知的財産戦略の有無が企業の命運を分けることを改めて痛感した羽矢﨑さんは、2014年に新しく発足したイノベーション統括部に異動。「ecコンシェル」などの新規事業開発を担い、BizDevOpsの実績を重ねてきました。
「本当に強い事業とは、競合の参入を一切許さず、独占排他で利益を出せる事業です。丸島先生はかつて、ゼロックスが100%独占していた複写機市場への参入を実現しました。私もまた、後進として新しい奇跡を実現したいという思いで研究と実践を続け、事業を強くする知的財産戦略の理想を追い求め続けた20年間でした」
そんな時に出会ったのが、エイターリンクだったのです。
AirPlug™️は日常の『価値』を根本から変えていく技術
「エイターリンクは、技術と事業と知財が極めて近い会社です。AirPlug™️は、iPhoneが携帯電話の常識を塗り替えたように、日常の『価値』を根本から変えていく技術になるでしょう」
その後も、どこかで新しい技術が生まれれば、自社がとるべきポジションや攻め筋はそのつど変わると羽矢﨑さんは言います。
「だからこそ、戦略は常にアップデートし続けていくことが重要。攻守の立場を入れ替えながら、詰将棋を繰り返すように先の先を読んでいきます。あらゆる競合相手が『これだけの特許があったらエイターリンクの事業に参入するのは到底無理だ』と断念するような手をあらかじめ打ち続けることが知財の先読み。知財をめぐる国際競争は複雑化し、ますます熾烈になっていますが、勝つための本質は変わりません。大切なのは、常に最強の脅威を想定すること。どこを攻められたら自社の生死に関わるのかを本気で考え抜き、負けない城を築いておくのが私の仕事だと思っています」(羽矢﨑さん)
ビル設備などの最先端技術が集結する「スマートビルディングEXPO」や、世界最大級のハイテク技術見本市「CES」への出展を機に、国内外でさらに熱い注目が寄せられているエイターリンク。日本経済を底上げしていくスタートアップの一番星として、ますます強い光を放っていきます。
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