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学習参考書はやはりご参考まで


あなたは,参考書の解答を読みますか?

どのタイミングで読むことにしますか?

解答を読んだら,次には何をしますか?


ただいまの時代には,参考書を1冊でも使ったことのない生徒は一人もいないでしょう。しかし,同じ参考書を使っているのに参考書の使い方によって,かなりの差がつくことに気づきました。場合によって,意外と副反応があらわれることもあります。

つい最近の失敗体験をシェアしたいです。先日,ある生徒が参考書を持ってきて,2次関数の最大値と最小値の問題を質問してくれました(→内容面の解説はこの記事では省略します。もし内容面において困ることがあれば,コメント欄でお話をしましょう)。最大値と最小値を求めるときの場合分けには,分かれ目の決め方がよく分からなかったようで,説明を求めてきました。

それに対して私は,「最大値・最小値問題の基本的な指針は軸の位置で場合分けをすること」,「軸は定義域(0≦x≦a)の左側にある場合,中にある場合(うち真ん中より左,真ん中より右),右側にある場合」の4パターンに分けて0から詳しく説明しました。

で,「解答には軸と2分のaと比べました。それはなぜですか。」と聞かれました。

私は「それは,軸が定義域の中にある場合,定義域の両端のどちらが軸に遠いかを調べるためです。定義域の真ん中は2分のaだから」と答えて,軸が定義域に含まれるパターンを繰り返して説明しました。結局も,一発で納得してもらわず,かなりの苦戦でした。

確かに最小値・最大値の問題は難しいですが,その子にとって理解しにくいレベルには決して達していないと思います。苦戦に至る理由は,参考書を使用するタイミングを良くないかと考えています。その参考書においては,2分のaと比べる思考の経緯を説明していなかったわけです。しかも,その後の問題にも軸を定義域の中点と比べることを暗黙的に認められました。その子は,予習の段階で上級者用の参考書を読んだので,何の問題でも直接に2分のaに比べればよいという先入観で問題に対する分析も聞き取れず,参考書の表現に陥ってしまいました

このことをきっかけに,参考書の選び方・使い方に関する記事を書こうと思いました。

①参考書の選び方

まずは,参考書を選ぶときに,対象層を確認しましょう。初心者向きなのか,難関問題を克服するための参考書なのかをとにかく見ておきます。今の自分に合う参考書だけ入手して,レベルアップが達成したらまた別の参考書に乗り換えればいいです。つまり,最後までずっと使える参考書を1冊だけ買おうという選び方をやめていただけたらと思います。金銭面の節約になるかもしれませんが,欲ばりすぎると消化不良を起こしてたくさんの時間をかけても予想の効果がもらえない可能性がありますね。

では,今の自分に合う参考書とはどんなものでしょうか

今の自分に合う参考書は「現下の発達水準:一人で解答できる問題」に基礎をおくものではなく,現下の水準より少し上にある「明日の発達水準」に基づいて考えるべきです。これは,発達の最近接領域(ZPD)という発達心理学の概念による結論です。注意すべきなことは,ここでは「明日の発達水準」に基づくことを求めるので,「来年の発達水準」でも「受験までの発達水準」でもないですね。

②参考書の使い方

次は,参考書の使い方です。適切な参考書を選んだとしても,使うタイミングがズレてしまうケースもよくあります。もちろん,勉強方法は十人十色ですが,ここでは師匠としての期待だけ語ります。

予習の段階(初心者)で上級の参考書を使うとか,問題を読んだら「分からん」と言ってすぐに解答を見てしまうとか,絶対におすすめではありません。また,解答を読んで「あ,わかった」と思って自分で解いてみるときに,ちらちら前の解答を見ながら少しずつ模倣することもおすすめしません。しっかり理解した上で,自分の思考に加えて解くのがより効率的なやり方です。

数学の学習には,自主的思考はとても大事なことなので,普段の勉強にはひとまず自分で考えてみる,間違えても自分で解いてみることにします。我々は人間だから,ロボットではないですね。同じ問題であっても,たとえ失敗に出会っても,色々試して,違う視点・方法を用いて解決することに楽しんでいきしょう。

なので,

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というような質問よりも

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のほうが期待されていますね。

何といっても千篇一律(千人一律)は面白くないので,数学の勉強も同じです。ということで,参考書はご参考までに使ったらもう十分で,やはりあなた自分なりの解き方が一番望しいですね。


附言:

前回の記事では,たくさんの「いいね❤」をいただき,ありがとうございました。本当に嬉しかったです。これからも頑張って書いていきます!

また,数学,勉強方法に関する質問・悩んでいる方,違う意見をお持ちの方は,コメント欄でディスカッションしましょ♪ お待ちしております。

では,今日も良い1日を!



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