日本のスタートアップが220MWhの蓄電池を搭載した船を建造、洋上の再生可能エネルギーを家庭へ

洋上風力発電で得た電力を海上で充電し、その電力を陸上に持ち帰ることができる海洋蓄電池船の開発が日本で始まっています。

スタートアップ企業のPowerX社は、「Power ARK」という、いわゆる「電力輸送船」のコンセプトを打ち出しています。同社は先週、造船会社の今治造船とパートナーシップを結び、2025年末までにプロトタイプを開発すると発表しました。

化石燃料を日本などに輸入している現在の燃料運搬船を代替し、再生可能エネルギーの導入を促進するというものです。資源エネルギー庁の2019年の統計によると、日本の電力の85%近くが海路で輸入された炭素系燃料で発電されています。

電気コンテナ船「Power ARK」は、220MWhのバッテリーを搭載し、船自体の電力は電気とバイオディーゼルの組み合わせで賄います。

日本の2大造船会社のひとつである今治造船との提携は、12月2日に発効しました。今治造船はPowerXに10億円(886万米ドル)を出資し、資本・業務提携契約を締結しました。

両社は、必要なサードパーティとともにプロトタイプを構築します。PowerX社は、蓄電システムおよび電池関連システムの製造を行います。

PowerX社は、技術系の起業家である伊藤正裕氏が中心となって今年初めに設立された会社で、社外取締役にはNorthvolt社の共同設立者であるCOOのPaolo Cerrutiが名を連ねています。

また、同社は独自の自動化されたギガファクトリーを建設し、外注したバッテリーセルから日本でバッテリーを組み立てる予定です。2024年までに年間1ギガワット時、2028年までに年間5ギガワット時の生産を目指しています。この工場で生産されるバッテリーシステムは、海洋、電気自動車の急速充電、グリッドスケールのストレージ市場に対応します。

今治造船の檜垣幸人社長は、「脱炭素社会の実現は、造船・海運業界が取り組まなければならない大きな課題」と述べています。

「今回の提携は、今治造船にとって、既存の造船・海運業界とは異なるアプローチで挑戦するPowerX社への投資だけでなく、パートナーとしての絶好の機会と捉えています。」

PowerX社のCEOであり代表取締役の伊藤正裕氏は言います。「今回の提携により、今治造船と共同で”Power ARK”を開発し、"MADE in JAPAN"の製品として世界に発信することを目指します。」

出典:https://www.energy-storage.news/japanese-startup-building-ship-with-220mwh-battery-storage-to-bring-offshore-renewable-power-home/


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