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液晶パネルの新用途:3Dプリンタ

こんにちは。
図書館で借りた日経エレクトロニクス5月号で気になった技術があったので、メモしておきたいと思います。

『電池だって3Dプリンター 全個体との相性抜群』という記事です。
全個体電池の主要な生産方法として3Dプリンタの有望になりそうだという内容です。

日経クロステックでは以下の記事が対応していそうです。

3Dプリンタの光源を液晶ディスプレイに

3Dプリンターを生産で使うイメージは、試作品やスペア品など、少量多品種向けのイメージでした。
しかし、この記事で書かれている全個体電池は、将来的には大量生産される可能性が高いです。

生産性の課題をどうするのか?と思いましたが、3Dプリンターも進化してますね。
光造形方式に、液晶パネルを用いたLCD方式というものが開発されていて、造形時間が大幅に削減しているということです。

(私の知っている)従来の造形方法は、樹脂を溶かして積み上げたり、レーザーで溶かして形を作ったりと、”線で描画する”技術をイメージしていました。

一方、最近で現れたDLP(プロジェクター的な)方式やLCD(液晶パネル)方式は、”面で描画する”技術です。

LCD方式は、液晶ディスプレイの応用です。
液晶ディスプレイは、液晶分子の配列を利用して、バックライトからの光をオープン/クローズすること映像を作ります。

3Dプリンタでは、求める立体像を輪切りにして1層1層作っていくので、切り出す断面によって模様が変わります。
レーザーなどの線で描画する方式は、もちろん対応できますが、時間がかかります。

硬化用紫外線ランプをバックライトにして液晶パネルを光源として使うと、瞬時に”映像”を作り出すことができるので、造形時間が大幅に削減されるということです。

記事によれば、レーザー方式の10倍の造形速度ということなので、今までの3Dプリンターのイメージを大きく変えることができると思います。

これ思いついた人は天才ですね。

パターニング技術として使えないか?

今回の記事を読んで思ったのは、3Dプリンタ以外の分野でパターニングに使えないか?ということです。

紫外線硬化樹脂とパターニングを使う用途として、電子部品や半導体製造でマスクとして使われるレジストや、基板の保護に使われるコンフォーマルコーティングなどがあります。

特に配線のパターニングに用いられるフォトリソやEBリソは、装置がかなり高額なので、気軽に導入できるものではないと思います。また、マスク代が大きなコストになります。

LCD方式の3Dプリンタの導入コストは小さく、光源側でパターンを作れるので原理的にはマスクレスが可能です。
そう考えると、将来的にこれらの置き換えになるのではないかと感じました。

配線に使用する場合、如何に小さいL/Sに対応できるか、という点が大切だと思います。

L/Sは液晶パネルの画素ピッチに依存すると考えられます。
以下のサイトの数字を信じるなら、画素ピッチが一番小さい解像度8Kで10.1インチだと、L/S=30μmくらいが限界のようです。

これは液晶ディスプレイ用と向けなので、メーカーが本気で作れば数μm~数十nmくらいは作れるんじゃないでしょうか?

もっと早く知りたかった

開発されたのは2016年ということです。
それくらいの時期に会社で「3Dプリンターを試してみろ」と言われ、試してみたので、(生産技術職なので)必要性が感じられませんでした。
当時にしっかり調べていれば… という気持ちもあります。

ただ、今回なんとなく借りた日経エレクトロニクスで知りことができたのはラッキーでした。
仕事の方でもう少し調べて見てもいいかなと思います。

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