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【学会誌】発泡ガラスでリンを回収

こんにちは。
『表面技術』2023年8月号を読んでいます。
読んだ記事について、気になった部分をメモしておきたいと思います。

今回読んだ記事のタイトルは「水熱処理を施した発泡ガラスによる排水からのリン資源回収技術」で著者は鳥取県産業技術センターの田中さん他数名の方々です。


内容

廃ガラスのリサイクル先の1つである発泡ガラスを用いて排水に含まれるリンを回収する技術に関する解説です。

発泡ガラスは多孔質な材料です。カスケード型のリサイクル技術として廃ガラスを原料として製造されています。

この記事の中にも少し書かれていますが、発泡ガラスで回収したリンを分離せずに費用として使用することもできるようです。

ポイント

  • 炭酸カルシウム等の発泡剤と廃ガラス(の粉?)を混錬することで、ケイ酸質のスポンジのような構造の材料が出来る(発泡ガラス)

  • 発泡ガラスを更に、加圧下でアルカリ水熱処理(140℃)を行うことで、表面積を増やし(約3倍)、リンの吸着量を増加させることができた

  • 排水のpHを中~弱アルカリ性に調整するとリンの吸着率が高くなる(90%以上)

    • このpH領域では、一価のリン酸二水素イオン($${H_{2}PO_{4}^{-}}$$)および二価のリン酸水素イオン($${HPO_{4}^{2-}}$$)は主な化学種

  • 発泡ガラスの形態のまま緩効性肥料としても活用できる

リンは大切

リンの回収は重要ですね。
リンは肥料として重要な役割があるだけでなく、めっき等のウェット工程でも多用されている気がします。

また、リン原料は中国の生産量が多いので、昨年のようにリンの高騰が今後もあるかもしれません。

排水から回収したリンを工業用に使えるのかは分かりませんが、リンのリサイクル技術は注目していきたいと思います。

今日は以上です。

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