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イロドリ有る世界

 ナマケモノはゆっくりじわじわと諦めず
 何度も考えた。
 何度も思い出した。
 答えを見つけたかった。
 そこに有るのに、見えないもの。
 物事に対する感情。

 ナマケモノは、見えないものを見ようとして意識を凝らしているうちに、見ようとしているものに弾かれたりしている。
 例えば、なんか嫌、と見えたら
「そんな事考えたらダメなんじゃない?別の理由があるんじゃない?」とどちらかといえば、「肯定的に捉える様に変換する癖」がある。
 そうする事も悪い事じゃないと、経験からわかっている。でも…違和感を無理矢理かき消したようで、不意に、ふわりと、底の方から上がってくる…。
 こわい、は、危険を報せている。
 嫌だ、も、同じに思える。
 蜂、とか、蛇とか、毒のあるキノコとか、そういう本能的なものには必要なのに。
 自分と誰かが関わるものには、「それ、怖いって思っていいのかな、嫌だってなんで思うんだろう」となってしまう。
 不思議なんだ。
 関わるということは。
 小さくても大きくても。
 
 良いこと、や、素敵なこと、に関しても、たまに、通り過ぎてから立ち止まってしまう。
 感情を怖いと思っているから。
 確かめたくなる、確認したくなる。
 これは、いったい。
 反省なのか、内証なのか。
 

 ナマケモノは、穏やか、に憧れている。
 気持ちが穏やか。
 環境が穏やか。
 
 実状、穏やかそうに見えるけれど、それが現れて見えないだけの人もいる。
隠れている、隠している、見えない方がいい、見ない方がいい。
 理由は、様々だけど、時々だけれども、まだナマケモノは揺れている。
 ゆらゆら、波の上を漂う船ではなく、ナマケモノは潜水艦で深海を漂う。
 なかなか浮上しないけれど、ナマケモノは深海を穏やかだと思って潜っている。

 理由と感情は、同じにはならないと、ナマケモノは思っている。
 悲しいから泣くは理解出来ても、悔しくて怒鳴るは理解出来ない。
 理解するものではないらしいけれどもそういう場合に、何故そうなるの?が先行して、ココロの仕組みを解こうとする。解けないよ、と、友は言う。わからないからココロだと言うこともある。

 理屈と感情は昼と夜くらい違っていて、ナマケモノは感情が苦手。
 感情は白と黒ではなくて、むしろ、白から黒の間に幾つもの名前と種類がある、らしい。
それをだいたい4つにすると、




になる、らしい。

それを最近、友から教わったナマケモノは、
知らなかった、そうなの?!と心底驚いた。
さらにその教えてくれた友から

 「出来事があってどんな事があってその時に出て来た感情を分解していくと、どんな感情が何%くらいずつあるか、書き出してね」

という課題が出たとき、「嘘でしょ?!」と思ったナマケモノは、潜水艦に揺られて深海に向かっている。
 

 

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