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BREWDOGのIPAバリエーション3本 1000BeerChallenge(76-78/1000)

■インドを目指したビール

IPAはすでに何本か飲んでいますが、インディアン・ペール・エールのことです。かつて帝国主義時代、イギリスからインドへビールを送るには時間がかかりました。大陸間を移動するには長期間船に乗らなければならかったので、インドへ送るビールは長持ちさせる必要がありました。そこで防腐効果のあるホップをたくさん使ってビールをつくり、運んでいったのです。
しかしここで副産物が。ホップは防腐効果とともに、ビールの苦味や香りも豊かにします。そのためIPAは味わいや個性の強い新しいジャンルのビールとも言えました。その濃さを好む人は少なくなかったため、いまでもビールの主要なスタイルの1つとして残っています。


■スタンダードとしてのIPA

そして、クラフトビールという範疇では、IPAはけっこうよく見るスタイルです。クラフトビールは作り手がこだわりを持った製法や原料でつくったビール。そのため、香りや苦味を生むホップも豊富に使うことが多くなります。すると自然とIPAに近づくのでしょう。
日本で一般的に売られているいわゆるメジャーなビールはピルスナーが多いのですが、IPAとは逆のすっきりしたビールなので、クラフトビールの濃さが余計に目立つのかもしれません。

BREWDOGのようにいろいろなスタイルのビールをつくっているメーカーでは、そのメインとなるビールにIPAが含まれていることがほとんどでしょう。たくさんのメーカーがつくっているから比較もしやすいとも言えるかもしれません。


■[beer076]BREWDOG PUNK IPA

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BREWDOGのPUNK IPAは、メーカーのフラッグシップという位置付けのようです。創業者のジェームズ・ワットはホップの魔術師というあだ名まで持ち、通常のビールの40倍ものホップをつかっているなんて話もあるくらいです。


■ビール情報

名称:PUNK IPA
メーカー:BREWDOG
産地:スコットランド
タイプ:IPA
アルコール度数:5.6%
価格:3本1000円
入手場所:やまや


■味わいメモ

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外観:淡い金色。
アロマ:熟成香、麦っぽさ、ホップの苦い香り。
味わい:ホップの苦味。フローラル感。やや柑橘。
ボディ:ミディアムボディ

見た目は薄めの金色、ややくすんだ印象。
香りはホップ、麦、熟成香、というスタンダードなイメージ。柑橘感もちょっとだけあるかな。
味わいも色と同じく、意外と軽い印象でした。香りは豊かなのですが、そこからイメージするほど華やかではないというか、期待してたより薄いかなという感覚です。熟成香も抑えめで、苦味も強いってほどとは思いませんでした。
その分すっきりしていて喉越しは爽やかで、フィニッシュに柑橘風の酸味が出るのでキレが良い。そちらを中心にバランスをとった調整なのかもしれません。

好き度:★★★

個人的にはもっと賑やかで苦味もどっしりしていた方が好みかなっていうところではありますが、比較的お安いし良いのかな。


■[beer077]BREWDOG INDIE

IPAはインディアン・ペール・エールの略なわけです。で、今日のビールは、INDIEです。そしてスタイルはペールエールです。インディー・ペール・エール? ラベルには、インディペンデント・ペール・エールと書いてある。
インディーという名前の由来はよくわかりませんが、いつでも、どこでも、だれでも楽しめるように、というコンセプトでつくられたと説明されています。
ということは、くせの少ない、飲みやすいスタイルということでしょうか。アルコールも低めにつくられているようです。

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BREWDOGは、2人(の、おそらくビールオタク)と犬1匹によって創業されたとされています。ビールオタクが美味しいビールをつくろうとしたので、きっと凝ったものができあがったのでしょう。それで評価を得たのは事実ですが、もっと多くの人が美味しいと感じるものもつくりたいと思うようになったのかもしれません。
そこで生まれた飲みやすいペールエール、ということでいいのかな。


■ビール情報

名称:INDIE
メーカー:BREWDOG
産地:スコットランド
タイプ:IPA
アルコール度数:4.2%
価格:3本1000円
入手場所:やまや


■味わいメモ

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外観:淡い茶色。
アロマ:麦っぽさ、ホップ。
味わい:フルーティーな熟成香。ホップの苦味は弱め。野菜のような香り。
ボディ:ミディアムボディ

確かに飲みやすいは飲みやすい。けれど、全体的に物足りなさを感じてしまうのも否めない。軽くゴクゴク飲む用だからと言われると納得ではあるのですが、一気飲みするほど安いもんでもないしなあ、なんて思ってしまう庶民なので。
ホップの香りは複雑というか、いろいろ入ってるんだろうなあ、という印象。甘めのフルーティーな香りがいくつか、柑橘系の酸味のある香りも。全体的に淡いので華やかさはさほど感じないけれど。
味わいも第一印象はおとなしめ。苦味が弱いのも理由かも。ただ、フルーティーな熟成香と、もやっとした甘みが静かに入ってきます。複数のホップや、小麦も使ってることも影響してるのかな。あとからまた柑橘の酸味も顔を出します。
色薄め、苦味弱め、コク弱め、アルコール弱め。全体的に軽いんだけど、本当はじっくり味わった方が良いんだろうねっていう感じ。

好き度:★★★

普段はあまり目立たず影も薄い方なんだけど、話してみると趣味も多くていろんなこと知ってる、やや人見知りするタイプっていう雰囲気でしょうか。垢抜けてもうちょっと華やかになってもらった方が好きではあります。


■[beer078]BREWDOG ELVIS JUICE

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ELVIS JUICEという名前の由来はまたわからないのですが。どうしてもELVISって言われるとプレスリーを連想してしまいます。

ラベルや説明には、他とは違うぜ的なことが書いてあり、個性派をアピールしています。
スタイルもGRAPEFRUIT INFUSED IPAとなっています。

GRAPEFRUIT INFUSED IPAというスタイル名の通り、グレープフルーツが原料に使われています。日本ではビールの原料として認められていないので、グレープフルーツを入れると発泡酒扱いになるようです。
ただし、麦芽の量が通常のビールと同等かそれ以上なので、税率はビールと同じ。発泡酒だけど別に安くなるわけじゃない。なんだか損した気分ですが。一応ここではスタイルを発泡酒ではなくIPAとしています。


■ビール情報

名称:ELVIS JUICE
メーカー:BREWDOG
産地:スコットランド
タイプ:IPA
アルコール度数:6.5%
価格:3本1000円
入手場所:やまや


■味わいメモ

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外観:赤みがかった茶色。
アロマ:柑橘の酸味。麦っぽさ。ちょっとホップ。
味わい:グレープフルーツの酸味と渋み。ホップの苦味。
ボディ:ミディアムボディ

最初にきたのは、あー、ほんとにグレープフルーツだー、って感覚。なぜか笑えてくる。
グレープフルーツが強めにくるのですが、甘みはあまりなく落ち着いた柑橘感。酸味もあります。そこにホップの苦味がかぶさってくる。ややずっしり感あり。アルコールが6.5%って高いせいもあるかな。
グレープフルーツの酸味が底通しているので、コクはあまり感じられなくなってるものの、その分澄んだイメージになる気がします。そして後味の渋みも意外と良い。

好き度:★★★

確かに個性派。でも嫌いじゃない。日常的に飲むか、たくさん飲むかって言われると、飲まないでしょうけれど。


■調べながら飲むということ

ビール1000種チャレンジを始めてから、飲むビールについても多少調べてみるようになりました。とはいえ情報過多になってしまうと、感想が公式サイトやテイスティングサイトと同じようなものになってしまうので、あくまで適当にしか調べていないんですけれど。
いままでも、同じメーカーのビールを何本か買ってきて飲み比べてみる、というようなことはしていましたが、やはり何かしら目安になる情報がないと印象が残りませんでした。その場では違うね、そうだね、と思うのですが、後で結局、どっちがどうだったっけ? ってなるわけです。
でも多少調べて、感想をテンプレ的に残していくと、だんだんと差分の情報が蓄積されていっているような気はします。
BREWDOGはもう4本目ですけれど、わりと違いが大きくてわかりやすくて助かります。


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ビール代になります。