見出し画像

常陸野ネストビールの和風アレンジビール2本 1000BeerChallenge(74-75/1000)

■久しぶりにネストビール

常陸野ネストビールは、茨城県那珂市に拠点を置く木内酒造のビールブランドです。もともとは1823年創業の酒蔵で、1996年の規制緩和をうけて、いわゆる地ビール造りをはじめました。
その後、地ビールブームはどこかへいってしまったわけですが、常陸野ネストビールは強く生き残りました。というよりも、当初から海外へ進出するなど、「地ビール」という名前に頼らない展開をしていたので、影響は少なかったのかもしれません。しっかりと現在の「クラフトビール」の地盤を固めていたのでしょう。


■海外向け日本のビール

海外志向の強いネストビールのラインナップの中には、初めから輸出用として開発されたものもあるようです。
ジャパニーズクラシックエールと、セゾン・ドゥ・ジャポン。


■[beer074] 常陸野ネストビール ジャパニーズクラシックエール

ベースとなっているビールのスタイルはIPAなのですが、杉樽で寝かせることで香りづけもおこなっているそうです。欧米で多く使われるオーク樽ではなく杉樽を使うことで、日本らしさも加えているのでしょう。

画像1

トレードマークとも言えるフクロウに、日本っぽい渋い色使い。木樽仕込みとかIPAとかははっきり書かれていないんですね。アメリカ輸出用はどんなラベルなんだろう。


■ビール情報

画像2

名称:常陸野ネストビール ジャパニーズクラシックエール
メーカー:木内酒造
産地:茨城
タイプ:IPA
アルコール度数:7%
価格:400円くらい
入手場所:ビックカメラ


■味わいメモ

画像3

外観:淡めの茶色。
アロマ:フローラル感。熟成香。酵母感と木の香りがほんのり。カラメル香もあるような。
味わい:フローラル感。熟成香。麦の甘さ。カラメル感。ホップの苦味。樽感。
ボディ:フルボディ。

IPAらしい色合い。とても華やかなホップの雰囲気と、熟成香が感じられます。あまり苦そうではなく、カラメル感と酵母感がやや目立つ香りです。杉樽仕込みと言われると確かに…とも思うかな。
口当たりは甘めで意外とどっしり。カラメル感もあり、華やかな熟成香もあり。苦味はじわっと乗っかってくる感じで、主役というほどではありません。後味もわりとこってり甘め。

好き度:★★★★

IPAのイメージからすると苦味は少ない印象です。熟成香と酵母感中心で、どっしりしてるけど飲みやすい。


■[beer075] 常陸野ネストビール セゾン・ドゥ・ジャポン

セゾンタイプのビールは、タイプと言いながら決まったレシピのようなものはないようです。もともと農家が冬の間に仕込んでおいて、夏に農作業をしながら飲む、いわば自家製ビールとのこと。だからおそらく家ごとにつくりかたがあったりするんでしょう。

基本的にはベルジャンホワイトっぽくつくられるようですが、コリアンダーやオレンジピールが必須ではありませんし、自由なんですね。

アレンジ自由なら和風にしてみようってことか、柚子と米麹を使っているとのこと。木内酒造はもともと酒蔵だったので、麹などのノウハウはあるんでしょう。

画像4

■ビール情報

画像5

名称:常陸野ネストビール セゾン・ドゥ・ジャポン
メーカー:木内酒造
産地:茨城
タイプ:セゾン
アルコール度数:5%
価格:400円くらい
入手場所:ビックカメラ


■味わいメモ

画像6

外観:淡い茶色。
アロマ:麦。酵母感。スパイス感。
味わい:柑橘系の酸味。熟成香。麦っぽさ。スパイス感。
ボディ:ミディアムボディ。

色は薄めの茶色。濁りは特に感じられません。
香りは柑橘っぽい感じと、麦の甘い感じ。酵母っぽさもあり。
ただ、飲んでみると意外と柑橘感が強く感じました。柚子が主役か。熟成香と麦っぽさも、セゾンらしい酵母感もあるのですが、酸味に隠れている印象です。苦味は弱くあまり目立ちませんが、後味で酸味と一緒に苦味が残ります。

好き度:★★★

バランスがいいかっていうと、そうでもないなあって感想ではあります。でもセゾンビールが農家の手作りビールだとすると、こういうのもありそうだなと思います。

■和風の難しさ

今回の2本のような和風アレンジが成功しているかどうかって、実際はターゲットにしている海外市場での反応によって決まると思うので、なかなか判断が難しい。美味しいとか美味しくないとかはまだ共通してる部分が大きいとしても、日本っぽさってのの認識はかなり違いますから。
これらの海外での評判も聞いてみたいものです。


画像7


ビール代になります。