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華やかで飲みごたえあるけどベルギービールほど重たくないのがフランス流? Brasserie du Pays Flamandのビール3種 1000BeerChallenge(170-172/1000)

■ANOSTEKEシリーズ

アノスケーテというブランド名で、いくつかのタイプのビールが展開されているようです。今回はまたフランス冷凍食品屋さんピカールにあった3本。IPA、セゾン、スタウトです。
醸造所は、Brasserie du Pays Flamandというところ。ここも先日飲んだフランスの醸造所Brasserie Duyckと同じく、北の方のベルギーに近い位置にあるようです。なので、ビールもややベルギービール風。そもそもブランド名のANOSTEKEが、この地方の古い言葉からきているということなので、いわゆるフランス文化とは少し違う地域なのかもしれません。
伝統的な製造法である、ビエール・ド・ギャルドというのを守りつつ、IPAやスタウトといった製法を取り入れていくスタイルのようで、じゃあビールのタイプとしてはどちらと言えばいいんだろうという悩みは生まれますが。


■[beer170] ANOSTEKE IPA

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■ビール情報

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名称:ANOSTEKE IPA
メーカー:Brasserie du Pays Flamand
産地:フランス
タイプ:IPA
アルコール度数:6%
価格:500円くらい
入手場所:ピカール


■味わいメモ

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外観:淡い茶色。
アロマ:フローラル感。ホップの苦味。麦っぽさ。熟成香。
味わい:柑橘感。フローラル感。麦の甘さと香ばしさ。ホップの苦味。
ボディ:ミディアムボディ。

ペールエール風のやや薄めの茶色。香りはとても華やかで苦味もあり、ホップ感が強い印象です。麦っぽさや熟成香もあり、賑やかな雰囲気。
味わいはまず柑橘感のある酸味がくる意外性から。そして香りからイメージしていたホップの華やかさはありつつ、苦味は意外と抑えめ。麦っぽい甘さと香ばしさもじわっと出てきて、後味は苦味が主体。
IPAなんだけれど主役は苦味ではなく柑橘感と華やかさです。酸味がアクセントではなく主軸、ずしっとくる感じで、それが珍しいんだけれど、面白い。パンとかつまみにしたくなるような感覚です。

好き度:★★★★


■[beer171] ANOSTEKE SAISON

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セゾンというと黄色っていうイメージありますが、なぜでしょう。
もともとセゾンはベルギーの農村でつくられていたスタイルのビールで、夏に農作業をしながら飲むために、冬から春に仕込んでおくものだったそうです。そして、ANOSTEKEもビエール・ド・ギャルドというスタイルで、言わばフランス版のセゾン。セゾン風ビエール・ド・ギャルドっていう、元祖風本家みたいな不思議な言い方になっているような気もしますけれど。


■ビール情報

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名称:ANOSTEKE SAISON
メーカー:Brasserie du Pays Flamand
産地:フランス
タイプ:セゾン
アルコール度数:6%
価格:500円くらい
入手場所:ピカール


■味わいメモ

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外観:濃い麦わら色。
アロマ:柑橘感ある酸味。麦の甘み。フローラル感。
味わい:柑橘感ある酸味。麦の甘さと香ばしさ。フローラル感。
ボディ:ミディアムボディ。

セゾンと言うと濁っているイメージですが、このANOSTEKE SAISONは濁りというより深めの色って印象です。香りの方も酵母感はなくて、柑橘っぽさ、麦っぽさ、ホップの華やかさ。
味わいはさらに柑橘感ある酸味が強くなります。麦っぽい甘さと香ばしさが穏やかに出てきて、ホップ感は少なめ。苦味はありません。泡が細かくてスムースで、口の中でじゅわーっと出てくるのが面白く、それでまた酸味が活性化されるような雰囲気も。ちょっとおつまみというよりも、きちんとした食事とともにっていう方がいいかもしれません。

好き度:★★★


■[beer172] ANOSTEKE IMPERIAL SMOUT

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スタウトってフランス語だとSMOUTになるんでしょうか。


■ビール情報

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名称:ANOSTEKE IMPERIAL SMOUT
メーカー:Brasserie du Pays Flamand
産地:フランス
タイプ:スタウト
アルコール度数:8.5%
価格:500円くらい
入手場所:ピカール


■味わいメモ

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外観:黒。
アロマ:ローストした麦。カラメルっぽさ。バターのような甘さ。
味わい:熟成香。カカオっぽさ。カラメルっぽさ。麦の甘さと香ばしさ。苦味。
ボディ:フルボディ。

スタウトらしいローストした麦の香ばしさもありますが、甘い香りが目立ちます。バターやカラメルのような、ややこってりした甘い香りという印象です。
味わいもこってり甘い。カラメルやカカオのような、ずっしりめの甘さが中心です。でもカカオってそのままでは甘いわけではないから、チョコみたいな甘さって言った方がいいんでしょうか。難しい。
全体的に甘くて優しい中で、ボディでは麦っぽさと香ばしさ、ロースト感と苦味がじわっと出てきて、それが余韻まで残ります。スタウトの本筋も外してませんよって感じ。
スタウトの代表格であるギネスと比べると、ずっしりしている感じは同じだけれど、ギネスがもやーっとしてるのに対して、こちらはもったりした甘さからくるずっしり感。スイーツ的な楽しさがあります。もういっそのことケーキをつまみに飲んでみたいくらい。

好き度:★★★★


■麦とホップならではの華やかさ

Brasserie du Pays Flamandのビールは、伝統的なビールから要素を引かないで、さらに新しいものを足しちゃう、みたいな印象でした。加算の美、楽しさ。
もしくは、やはりフランスではワインにないものをビールは求められるのかもしれない、という感覚。麦やホップを使うからこそのフレーバーを加えてこそビール、って感じなのかもしれません。
なんにしろ、賑やかで楽しいビールたちでした。ベルギービールは美味しいんだけれど、今日はそこまで重たいのはなあ…って思うこともあるのですが、そんなときにもちょうどいいかも。

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ビール代になります。