見出し画像

DHCがビールをつくったら。すっきりクリアな富士山シリーズ 1000BeerChallenge(156-159/1000)

■DHCという会社

あのDHCがビールをつくりはじめたようです。2019年発売とのこと。富士山麓に醸造所を構え、なかなか本格的に製造している様子。
もともとDHCは化粧品やサプリメントの会社というイメージがありますが、事業内容は多種多様に渡っているみたいです。そもそもDHCの社名の由来は「大学翻訳センター」。始まりは翻訳屋さん。それから化粧品をつくったり、サプリをつくったり、アパレルをやったり、ホテルをやったり。
実は2014年には酒をつくりはじめていたようです。そして2019年にはビール。創業者でもある会長が、やるぞーって言ったらやっちゃう会社なのかもしれません。


■DHCビール

DHCビールの醸造所は富士山の麓にあります。仕込み水は富士山の伏流水100%とのこと。水の良い場所で開業するクラフトビール屋さんは少なくありませんが、DHCビールは富士山の若めの伏流水、つまりミネラル分がまだそれほど溶け込んでいない柔らかい水、ということのようです。
そして化粧品やサプリのノウハウが生きているのか、酵母や醸造過程がかなり科学的に管理されているような説明です。素朴で手作り感のイメージが強いクラフトビール業界では珍しいかもしれません。
DHCという社名もあり、醸造所の紹介でも、さらには缶のデザイン的にも、なんとなく無機質な印象を受けますが、どんなビールなのでしょう。

今回飲んだのは、スターターパック的な4本セット。
PREMIUM RICH ALE
GOLDEN MEISTER(ピルスナー)
LAGER BEER
BELGIAN WHITE
の4種です。


■[beer156] PREMIUM RICH ALE

画像1


■ビール情報

画像2

名称:PREMIUM RICH ALE
メーカー:DHCビール
産地:御殿場
タイプ:エール
アルコール度数:6%
価格:4本1000円(お試しセット)
入手場所:DHC公ECサイト


■味わいメモ

画像3

外観:淡い茶色。
アロマ:カラメルっぽさ。フローラル感。麦っぽさ。
味わい:ホップの苦味。カラメル感。フローラル感。麦の甘さ。
ボディ:ミディアムボディ。

ペールエール風の薄めの茶色で、澄んだ色という印象です。香りもわりと澄んでいる感覚。カラメルっぽい甘い香りを強めに感じますが、ホップの華やかさもあり。
味わいの方は意外としっかり。口当たりで強めのホップの苦味が来て、それと両立するようにカラメルっぽい甘さと麦っぽい甘さも。ホップの華やかさもあり、各要素がそれぞれ目立っている感があります。でもボディはクリアなので、するっと流れていくイメージです。流れた後に後味でも、甘み、ホップの華やかさ、苦味がバランス良く残ります。
確かに水のクリア感を前面に出す感じですが、味の要素はしっかりしているし、アルコールも6%とやや高めだからか、そこそこずっしり感もあります。

好き度:★★★★


■[beer157] GOLDEN MEISTER

画像4

こちらはピルスナーとのこと。名前からしてもドイツ風ということですね。


■ビール情報

画像5

名称:GOLDEN MEISTER
メーカー:DHCビール
産地:御殿場
タイプ:ピルスナー
アルコール度数:5%
価格:4本1000円(お試しセット)
入手場所:DHC公ECサイト


■味わいメモ

画像6

外観:くすみのある淡い金色。
アロマ:酵母感。麦っぽさ。フローラル感。
味わい:酵母感。酸味。ホップの苦味。フローラル感。熟成香。麦の甘さ。
ボディ:ライトボディ。

ピルスナーらしい淡い金色ですが、少しだけ濁りがあるような気がします。無濾過って書いてある。
香りも酵母っぽいもやっとした感じが中心。麦の甘さが少し、ホップの華やかさがさらに少し。
味わいの方も香り同様、まろやかに甘いって印象です。口当たりに酵母っぽい酸味があり、ホップの華やかさと苦味があり、熟成香っぽい甘みがあり。それらが全部穏やかに迫ってくるような感覚。ボディには麦っぽい淡い甘みが留まって、でもやはりクリアにすっきり流れていく。
ピルスナーだし軽いは軽いのですが、フレーバーはいろいろと感じられます。もやっとしたり、しっとり甘かったり、すっきりきれたり。ゆっくり飲みたいピルスナーって感じ。

好き度:★★★★


■[beer158] LAGER BEER

画像7


■ビール情報

画像8

名称:LAGER BEER
メーカー:DHCビール
産地:御殿場
タイプ:ラガー
アルコール度数:5%
価格:4本1000円(お試しセット)
入手場所:DHC公ECサイト


■味わいメモ

画像9

外観:明るい金色。
アロマ:バターのような甘い香り。熟成香。フローラル感。
味わい:熟成香。バターのような甘さ。フローラル感。ホップの苦味。
ボディ:ライトボディ。

アメリカンラガー的な明るめの色なので、香りや味もそれを想像したら、ちょっと違いました。
甘い香りが主体なものの、アメリカンラガー風ではなく、カラメルまでいかない、バターのような甘さの印象です。そしてホップの華やかな香りも少し感じられます。
香りは苦そうではなかったのですが、口当たりで意外と苦味が感じられました。そして甘み、ホップ感。ちょっと酸味もあり、ボディはやはりクリアなのですっきりきれます。
ラガーの軽い感じで、さらにDHCをつらぬくクリアなつくりなので、若干物足りないと思ってしまう面もあります。でも甘さにアメリカンラガーみたいなべたっとした感じがないので、軽め甘めが好きならちょうど良いかな。


好き度:★★★


■[beer159] BELGIAN WHITE

画像10


■ビール情報

画像11

名称:BELGIAN WHITE
メーカー:DHCビール
産地:御殿場
タイプ:ベルジャンホワイト
アルコール度数:5%
価格:4本1000円(お試しセット)
入手場所:DHC公ECサイト


■味わいメモ

画像12

外観:濁った明るい麦わら色。
アロマ:コリアンダー。柑橘感。小麦の甘み。酵母感。フローラル感。
味わい:柑橘感。酸味。小麦の甘み。コリアンダー。酵母感。
ボディ:ライトボディ。

見た目は普通のベルジャンホワイトという感じ。濁りもあるし、明るめの麦わら色。香りもコリアンダーとオレンジ、小麦、というスタンダードな印象です。
味わいの方は、全体的に軽めです。柑橘感と酸味が最初にきて、酵母感あるもやっとした小麦の甘さが穏やかに出てきます。コリアンダーのスパイシーな感じも弱めで、苦味はほぼなし。ヒューガルデンとかだと、もっとこってりと、もやーっとずっしり感があるのですが、ここでもやっぱりDHCはクリア路線のようです。後味もオレンジのさっぱり感。
軽いのでジュースのような感じもしますが、物足りないと思う人ばかりではないのでしょう。もやっと感や、コリアンダーとかオレンジピールの渋みとかの癖が苦手な人なら、こっちの方が美味しいと思うかも。

好き度:★★★


■あくまでクリア路線

DHCのビールはすべてクリア感あるすっきり系でした。さすが、富士山の水を第一にアピールするだけの方向性なのですね、という感じ。とはいえ軽いだけではなくて、ボディがすっきりしているからフレーバーが目立ってくるという楽しさもあり。佳作揃いでした。
スーパーで見てたけど、DHCっていう名前と、他よりちょっと高めの価格設定で避けててごめん、っていう感じ。でもお試し4本1000円なら安いけど、定価だとなあ、という躊躇はあります。

画像13



ビール代になります。