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インプットを増やしたい、デザインスキルを磨きたい人必見! 22卒デザイナー内定者がおすすめするデザインの本5選

こんにちは。ADWAYS(アドウェイズ)のデザイナー職で22卒内定の長谷川です。
私は、'21年3月に内定をいただき、'22年4月に入社予定の美術大学に通う4年生です。

現在、私が所属している学部は、ゲームやキャラクター業界志望の学生が多く、関連する内容に特化したカリキュラムメインで大学1・2年時は組まれています。
そのため、私のデザインスキルはほぼ皆無。
「このままじゃ、憧れのデザイナーになれない!」と危機感を感じた私は、大学2年生の頃から、少しずつデザインの勉強を始めました。

そのとき、お世話になったのがデザインの書籍たちです。
今考えると、本を読んで「デザインのセンスと呼ばれる大部分は知識があるかどうかだ」と気づけたことが、私の転機だったように思います。

私のデザインの基礎は本によって培われたといっても過言ではありません。

「デザインを学ぶ学生には、必ず人には教えたくないけどお世話になった本があるはずだ!きっと為になるデザインの書籍を知っているだろう」と思ったので、内定者のみなさんにインタビューしてみました。

それでは、私を含めデザイナー職内定者4人のインプットを増やす、デザインスキルを磨く上で参考になった本をそれぞれ紹介します。



大胆なグラフィックが苦手な人やこれから挑戦したい人におすすめ! 漢字のグラフィックデザイン厳選集『アジアンタイポグラフィデザイン』

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1冊目は、動画編集デザイナー職に内定された古賀さんのおすすめ『アジアンタイポグラフィデザイン』です。

台湾、香港、中国、日本、韓国の作品から選りすぐられたクオリティの高い漢字のデザイン100事例以上を、図版とともに紹介した参考作品集です。

バナー広告を作るにも、タイポグラフィの知識は不可欠。
これからお仕事をする上でもとても役立ちそうな一冊ですね。

古賀さんがこの本を知ったきっかけは、就職活動の真っ只中で気分転換のため、店に立ち寄ったときに見つけたとのこと。

「この本とは、画材売り場の一角にある小さな書籍スペースでたまたま出会いました。日常生活の中で、漢字を使ったグラフィックは多く見かけますよね。でも、アジア圏の漢字を使ったグラフィック作品が、紙からロゴ、フォントに至るまで一冊にまとめたられた書籍を見つけたのは、初めてでした。ボリューム感もあって、衝撃を受けました。」

漢字メインのテキストアニメーションを多く取り入れた動画作品を制作中だったこともあり、その作品の参考として『アジアンタイポグラフィデザイン』は重宝されたそうです。

タイポグラフィの事例は、インターネットでも多数見ることができます。
しかし「アジア中の漢字を使用した良質なグラフィックを一度に見ることができる」のは、この本にしかできません。

漢字は画数も多く、文字の中では強い印象を持つため、この本を参考にすれば、大胆なグラフィック表現をすることが可能になります。
漢字を使ったダイナミックな表現の作品は、アイキャッチ力がありますし、ポートフォリオの中でも目立つ存在になること間違いありません。

みなさんも煮詰まってしまったときにはぜひ、ふらっと本屋さんに立ち寄ってみてくださいね。

📕 この本をおすすめしたい人
・大胆な手数の多いグラフィック制作が好き
・大胆なグラフィックが苦手で挑戦してこなかった


引き算のデザインが苦手、または挑戦してみたい人必見! 世界の第一線に立つ著者のデザインに触れる『デザインのデザイン Special Edition』

2冊目は、デザイナー職に内定された田中さんのおすすめ『デザインのデザイン Special Edition』です。

世界的なグラフィックデザイナー原研哉さんの著書『デザインのデザイン』の特別版。デザインとは何か、について著者が独自の目線で紐解いたものであり、読者に新たな発見をもたらしてくれる一冊になっています。

田中さんがこの本を知ったきっかけは、大学3年生の冬に日本を代表するグラフィックデザイナーを研究する授業で、原研哉さんをテーマにしたこと。

「本の内容であるデザイン思考だけでなく、本自体の美しさにも惹かれました。特別版は『デザインのデザイン』より大きいB5版で、カラー写真などが非常に見やすく、良いなと思いました。これが購入の決め手です。」

この本から参考にできることは、無駄なものを差し引いた余白の美しいシンプルなデザインです。
余白のデザインをマスターすることはとても難しいですが、上手に扱えるようになると洗練された美しさを表現することができます。

また、誰でも簡単に高画質な写真を撮れるようになり、差別化を図る写真を撮るためには、多くの優れた広告写真を研究することが重要です。
さらに時代を牽引するクリエイターの著作は、どんな方も必読の一冊だと言い切れます。

田中さんは本書を購読して、作品のコンセプトやデザイン思考から、余白や文字の大きさ、写真の入れ方まで幅広く学ぶことができたと話されていました。

最終的なアウトプットとして、田中さんはジャズをテーマにしたポスターを制作したとのこと。その作品を特別に掲載させていただきました!

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トランペットと「jazz」という単語だけのシンプルな構成。
白の割合が多いため、なるべく冷たい写真にならないよう、コントラストを低くするなど、こだわりを持って制作されたそうです。
『デザインのデザイン』からの学びが強く感じられる、余白の美しい作品ですね!

田中さんは、美しいデザインの定義を「シンプルさ」だと話されていました。

「デザインを見た人たち、つまり受け手がシンプルに情報を受け取れるようにすることを大切にしています。加えて広告のデザインでは、単純に見せたいものを見せる広告ではなく、デザインとそれを受け取る人との間に余白が生まれるようなデザインを心掛けています。」

多くの人が立ち止まって作品に目を向ける工夫として「キャッチコピーやビジュアル単体ではなんの広告かわからない、しかし組み合わせることによって初めて作品が完成する」というものは効果的。

田中さんの作品が魅力的で目をひくのは、さまざまな工夫が凝らされているからなのですね。(その他の田中さんの作品は、こちらの記事でも見ることができます。ぜひご覧ください。)

📕 この本をおすすめしたい人
・作品内の情報量が多くなってしまい引き算のデザインが苦手
・写真と文字の入れ方で魅力的なグラフィックを制作してみたい


学生の作品をさらにプロが求めるクオリティーに近づけたい人におすすめ! デザイン一年生の教科書『ノンデザイナーズ・デザインブック』

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3冊目は、デザイナー職に内定された吉田さんのおすすめ『ノンデザイナーズ・デザインブック』です。

タイトルの通りデザイナーでない人に向けたデザインの本です。
デザインの「4つの基本原則」を中心にビジネスシーンで役立つ、デザインの基本を学ぶことができます。

吉田さんがこの本を知ったきっかけは、大学2年生の頃に見たデザイナー向けのおすすめの本紹介のWebページ。

この本の購入の決め手は、
・まるで「教科書」のようにわかりやすく基本が押さえられた構成
・レイアウト、色、デザインの基本4原則を、作例も通して学べる
・具体例や練習問題もたくさんあり、実践的な力がつく

デザイナー初心者向けの内容ですが、初心を忘れないためにも定期的に読み返しているとのこと。

制作中に迷ってしまったとき、手元に欲しい情報をすぐ確認できるのは、とてもありがたいですよね。
吉田さんは、ポートフォリオはもちろん、デザイン作品をつくる過程でも常に参考にしていたそうです。(そんな吉田さんのポートフォリオは、こちらの記事で紹介されています!ぜひ、ご覧くださいね。)

この本の利点は、学生とプロの差を埋めてくれるところにあるでしょう。
デザインは、論理的な説明ができるように組み立てていくことで、説得力が増し、結果的に見ている人に寄り添ったものを制作することできます。
これはお仕事としてデザインをする上で重要なスキルです。
特にデザイナーとして「学生のクオリティーをプロにも通じるように、レベルアップさせたい!」という方はぜひ、チェックしてみてください!

またこの本で紹介されているデザインの「4つの基本原則」は、アドウェイズの別記事デザインの基礎(前編・後編)でも紹介しています!
とても参考になる記事なので、まだの方はご一読くださいませ。

📕 この本をおすすめしたい人
絵は描けるけどデザインは苦手と感じている
・デザイナー志望だけど自分の作品に説得力が欠けていると感じている


ところで、みなさんはデザインの本を購入するとき、ネットか、店舗に足を運ぶか、どちらが多いですか?

筆者は「失敗するのが、怖い!」という理由からネットであまり本を購入しないのですが、吉田さんいわく
「購入前に必ず確認することは、いろんなレビューを見ることや、試し読みですね。最近では、電子書籍も活用してます!」とのこと。

ネットで本を購入するときのポイントにしたいですね。
また、デザインの参考本は重く携帯に不向きなものが多いので、タブレット1つで、どこへでも何冊でも持ち運べるのは便利ですね。
筆者もこれを機に導入を検討しようかな、と思いました。


次に、前書きでもお話した通り、デザインレベルゼロだった私がスキルアップするために購読した、おすすめのデザインに関する本を基礎編、応用編として2冊ご紹介します。


グラフィックデザインに苦手意識があり、克服したいと思っている人、学生のうちに多様な系統のデザインを学んでおきたい人におすすめ! プロのデザイナーになるための基礎オールインワン『デザインの基本ノート』

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1冊目は、基礎編『デザインの基本ノート』です。

デザイナーについての基礎知識から、今の現場で使える知識までプロのデザイナーになるために必要な情報が簡潔にまとめられています。
まさにデザイナーのたまご向けのオールインワンなデザイン本です。

この本は苦手なグラフィックを克服しようと、ネットでデザイン関係の本を調べていたときに発見し、本屋に足を運んで購入を決めました。

題名の『ノート』にもある通り、項目ごとにわかりやすくまとまっており、文字量がちょうどよく、心地よく読める行間です。
男性向けのかっこいい配色、和風の配色などといったデザイン事例が多く掲載されていて、デザインの基礎を網羅的に学ぶことができます。

また、さまざまなグラフィック事例が掲載されているので、自分自身のデザインのバリエーションを増やすこともできます。

特にお仕事では、自分の得意な系統だけではなく、クライアントのオーダーに合わせた幅広いデザイン力が求められるようになると思います。
学生のうちに基本を網羅的に学んでおけばアウトプットもスムーズにできるようになります。

私も吉田さんと同じく、制作中に気になったときはすぐに確認ができるよう、手元に置いておくような方法で活用していました。

📕 この本をおすすめしたい人
グラフィックデザインに苦手意識があるけれど克服したい
・学生のうちに多様な系統のデザインを学びたい


デザイン設計に興味がある人、アイデアの質と量をもっと増やしたい人におすすめ!未来につながるアイデア集『スペキュレーションズ 人間中心主義のデザインを超えて』

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2冊目は、応用編『スペキュレーションズー人間中心主義のデザインを超えてー』です。

この本は、最前線のデザインリサーチ99事例を元に、さまざまな思索(スペキュレーションズ)とそのプロジェクトや作品を制作するに至った背景を紹介しています。

この本は、今年の春、課題のアイデア出しの段階で行き詰まっていたとき
先生からおすすめされて購入しました。

「デザインリサーチとは」から始まり、デザインリサーチの歴史、そして未来と網羅された序章の後、カテゴリーごとに事例が紹介される流れになっています。
ビジネスとして展開しているプロジェクトや、中には過去に森美術館で開催された『未来と芸術展:AI、ロボット、都市、生命……人は明日どう生きるのか』に展示されていた作品なども本書に掲載されていました。

この本をすべて読み込むにはかなり時間がかかってしまいますが、事例の概要を見るだけでも、説得力のあるコンセプトやアイデアが興味深くとても勉強になります。

時代とともに変化するデザインのあり方の最先端を知るということ自体が新たなアイデアを生むことのきっかけになります。
またカタチにする前の段階である、デザインリサーチについて学ぶことで、最終的に人や時代が潜在的に求めていることを発見できたり、革新的な新しいモノを生み出すことができます。

作品をつくるときにひらめき与えるような内容ですので、気になった方は一度手に取って見ていただきたい!という一冊です。

📕 この本をおすすめしたい人
デザイン設計に興味がある
アイデアの質と量をもっと増やしたい



おわりに

ここまで、5冊の本を紹介し、魅力をお伝えしてきました。

「すごくためになった!」「見てみたけど、私には合わないかな……」など本の好き嫌いも個人差があると思うので、今回取り上げた本が、記事を読まれたみなさん全員に必ずしも合っているとは言い切れません。

冒頭でもご紹介した通り、私のデザインの基礎は本によって培われました。
なので、日常的にインプットのアンテナを立てておくことで、自然と新しいアイデアが浮かんだり、作品のクオリティをアップさせることに繋がることは確かです。その方法の一つが「本」だと私は考えています。

就活生のみなさんは、常に時間に追われているため、本をじっくり選ぶ時間も心の余裕も徐々になくしてしまうのではと思います。

しかし今回の記事で紹介した本は、22卒内定者が実際にインプットに役立てたものです。ぜひ就職活動の息抜きに本屋に訪れて「これいいかも!」「これは私には合わないかもな」と現物を手に取って感じてみていただきたいです。

あなたにとってぴったりなデザインの本に出会えること、そしてこの記事が少しでもそのお手伝いになることを願っています。

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