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「本が嫌いだった」自分の資産を増やすアウトプットと言語化

Twitterやnoteなど、いわゆるSNSやブログから発信をすることに対して、
苦手意識を持っている人は、実のところ社内外問わず案外いるのではないでしょうか。

アウトプットすることへのメリット。言語化力を身につけるための方法。
言語化力がどのようにデザインへ繋がっていくのか。

今回は、「アウトプットと言語化力」をテーマにADWAYSと交流の深い
Goodpatchの野田 克樹(のだ かつき)さんにインタビューをさせていただきました。


プロフィール
Goodpatch Design Div. UX Design Lead 野田 克樹(のだ かつき)
Twitter:@ktknd

2017年4月新卒入社。千葉県木更津市出身、千葉大学工学部情報画像学科 卒業後、プロジェクトマネージャー / UXデザイナーとしてグッドパッチへ入社。約2年間UXデザイナー/プロジェクトマネージャーとして主に日系大企業のデジタル新規事業の立ち上げに携わる。2018年にはTBSテレビの新規Webメディア「Catari」の立ち上げからリリースまでを担当し半期社内MVPを受賞。2019年6月にはグッドパッチ史上最年少マネージャーに就任し、現在はUXデザイナーのマネジメントも行う。



2つの記事の違いは「教科書」か「エッセイ」

インタビューアー Twitterやnoteで日々情報発信を行っている野田さんが執筆した、2つの記事を読みました。この2つの記事からは、「知識を共有する」という面と「想いを伝える」という、それぞれ異なる印象を受けました。

野田 2つの記事それぞれに意図はありますが、大きな違いは「教科書的な記事か、エッセイ的な記事か」です。1つ目の記事は「構造化」という知識を共有することで、読んだあとに読者が「勉強になったな」という教科書的な印象を持ってほしいなという意図があります。2つ目の記事は「最年少マネージャーとしての一年を振り返る」という経験や想いを元に「わかる! 共感した!」という想いを読者に抱いてもらうエッセイ的な側面があります。それぞれ異なる印象を読者から引き起こしたいと考えていました。読者から引き起こしたい感情が全く違うから、書き方も全然異なりました。記事によって自分の中でパーソナリティを分けて書いています。


インタビューアー
 周りの反響はどうでしたか?

野田 喜ばしいことに両記事とも反響をいただいたのですが、ターゲットが広かったこともあり、「構造化」の記事の方が約4倍のPVと反響は大きかったですね。「マネージャーとしての一年を振り返る」の方が圧倒的に文字数が多いのに(笑)


自分自身の「資産」を増やすための情報発信

インタビューアー 記事が主観的になってしまったり、読者に意図しない印象を与えてしまったり。そういった怖さなどから情報発信することを避ける人が多い中、外に向けた情報発信をはじめたきっかけはなんですか?

野田 外への情報発信をはじめた理由は、周りからフィードバックをもらいたいということが一番大きいです。デザインと同じように、フィードバックをもらってブラッシュアップを重ねていく。外に向けて情報発信をすると、たくさんのフィードバックが返ってくるので、発信した分だけ自分の知見や資産が増えていくということに気が付きました。

フィードバックだけなら、外へ発信しなくてもいいんじゃないかと思われるかもしれませんが、僕があえて外へ向けて発信するのは、言い換えると「貯金と投資」のような違いがあると思っているからです。

例えば、銀行に貯金をしていても‎0.01%くらいしか資産は増えないけれど、投資をすることで資産が年に数%〜10数%くらい増える場合がある。同じように、記事を自分の中にだけ蓄積していても情報としての資産は増えないですが、外に発信するという「投資」を行うことで、知見や情報資産がどんどん増えていくんです。外に向けて情報発信をするかしないかとでは、返ってくる資産が大きく変わってきます。


インタビューアー なるほど、外に発信することが投資になるという発想はなかなか考えつかなかったです。投資がマイナスに働くことはなかったのですか?

野田 もちろん、投資だからマイナスになる可能性も考えました。僕の場合は、幸いにもマイナスの投資になることはほぼなく、プラスの資産として返ってくることが多かったです。それなら、「貯金しておくよりも、投資をして資産を増やしたい」という気持ちが強くなっていきました。

情報発信する主なメディアはTwitterとnoteを使っています。Twitterには気付きや普段考えていることを発信しているのですが、その中で反応がいいものや需要がありそうなものをnoteで記事化する、という使い分けをしています。書籍やWeb上で既に情報が多く出回っているようなネタであっても、読者に刺さる、必要とされている、と感じたものは気にせず情報発信するようにしています。


本を読むことで、インプットし思考を巡らせ、苦手だからこそ文章を書き続けた

インタビューアー 文章を書くということを苦手としている人も多いと思います。野田さんはもともと文章を書くことは好きだったのですか?

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野田 そもそも文章を書くというところより、本を読み始めたということが文章を書くことのきっかけでした。実は僕、本を読み始めたのが21歳くらいの時なんです。それまでは「本はつまらない、嫌い。」くらいに思っていました(笑)大学時代の留学先で優秀な人はみんな本を読んでいるのを見て、それをきっかけに、日本に帰国してから本を読み漁りましたね。で、読んでみると「あれ?本って意外と面白い。」ってことに気がついて。苦手というより、ただの食わず嫌いでした。

その頃からインプットしたことをアウトプットするという形で文章を書くようになりました。本を読む以前、3〜4年前に書いた自分の文章は、何を言いたいのか今読み返してても全然分からない(笑)そのくらいひどい文章力でしたが、外に向けて書くということを意識してブログを書き続けていましたね。

発信する情報を考えている時にも、本を読んでインプットしながら思考を巡らせてアウトプットしています。今となっては、本を読まないと思考が進まないくらい、言語化する上で必要不可欠なアイテムです。僕は本がないと、まるで水のない魚なんです(笑)


インタビューアー
 「書く」ということより最初は「本を読む」ことがスタートだったんですね。ではいつ頃からブログが沢山の人に読まれるようになりましたか?

野田 始めの頃は、とにかくがむしゃらに書き続けていたのでPV数もそこまで上がらない記事を積み重ねていましたが、Goodpatchに入社してからは執筆した記事に広報チームからフィードバックをしてもらうようになりました。

例えば、タイトルの書き方や句読点の打ち方、ですます調など、些細なチューニングの繰り返しですが、人の目を通してブラッシュアップしていくという、この積み重ねが僕の言語化力へと繋がっていきました。そこからは、どんどんチューニングされてPV数も多い記事が増えていきましたね。

いろいろな方法を考えてみた結果、「外へ向けて書くことを意識する」「苦手だからこそ、とにかく書き続けて言語化すること」が重要だと改めて思います。


書くことを見つけるのではなく、書くことのない人生を見直す

インタビューアー 最後に、自分の考えを発信することに苦手意識や恐怖感を持っている人へ、まずどういったことからすべきかメッセージはありますか?

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野田 Goodpatchのメンバーは、情報発信をする前提で物事を考えている人が多いです。「あ、これ発信したら面白いかも。」って考えながら日々を生きている。

僕は、ネタのために生きていくよりも、日々生きていく中で「今この瞬間をシェアしたい」と感じたものだけを発信していくタイプ。充実した人生をおくれるように心がけていたら、たまたま発信するものがあっただけです(笑)「書くことを見つける」のではなく、「書くことのない人生を見直す」ことの方が、重要だと思っています。


インタビューアー
 確かに、日々の仕事や生活そのものを充実できればどこを切り取っても興味をもってくれたり共感してくれる人が増えますよね。
最後にアウトプットすることに足踏みしている人たちにメッセージはありますか?

インタビューの冒頭で、自分へのフィードバックのために情報発信をはじめた、と言いましたが、今は自分の発信した情報が誰かの助けになってほしいという気持ちが強いです。情報発信をして、フィードバックをもらう、また更に誰かのためになるような記事を書いてフィードバックをもらう、という繰り返しの中に無条件のギブアンドテイクがあります。最終的には、情報発信をするということは回り回って自分の元へいつか返ってくると思っています。

評価や反応を気にして情報発信を恐れることは、自分が機会損失をしていると思ったほうがいいかもしれません。書いてみないとわからないなら、書いて、言語化して、情報発信をする方が最終的に自分の資産になると僕は思っています。


インタビューアー 自分の考えを言語化するというということは「書く=アウトプットする」ことの訓練だと当たり前のように思う人が多いと思いますが、「本を読む=インプットする」ことで思考が進み、考えを整理できるという野田さんの習慣は新しい発見でした。アウトプットをすることに抵抗がある人は、まずは本を読む習慣をつけることから初めてみるのも良いかもしれませんね。

野田さんインタビューのお時間いただき、ありがとうございました!



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