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空を飛んできた、ヨーグルト
海外で暮らすのは、人生初。
しかも旅行でも行ったことのない国。
さらに、夫は出張が多くて殆ど家にいない。
おまけに子連れで、トドメは・・・
日本語しか喋れない、わたし(・・)
ここで、平日は子供と2人きりの生活、
何が、どうやって、ひっくりかえって、
私たちは生きていくのかしら。
「ママ、おなかすいた」
生きている。それは生きている証拠ね!
私はこの子と自分を、食べさせなければならない。
「何か、たべもの買いにいこう」
私たちはダンボールだらけの部屋を抜け出し、外へ出た。
「取り敢えず・・・スーパーはどこだ」
「ママ、のどかわいた」
「分かった、水もペットボトルで買おう」
水道水は飲まないようにと言われている。
「あった!」
スーパーはすぐ近くにあった。
入っていくと、まずは乳製品のコーナー。
見慣れない牛乳パック、チーズの種類が多い、
それから・・・
「あ"!!」
一瞬、ここは日本だっけ?と思った。
それは毎朝食べていた、ヨーグルト。
横は3列、それが棚の奥まで続いていて、
しかも2段重ね。
明治ブルガリアヨ〜グルト♫
頭の中で音楽までなりだした。
「めいじブルガリアヨーグルト!」
この通り、子供もそのまま覚えて、
いつもフルネームで呼ぶ。
この時の驚きと嬉しさは、忘れられない。
青と白、その爽やかなパッケージは
ただでさえ目立つのに、大量に整列して並んでは
私たちに「見つけて!」と合唱しているように見えた。
きっと今、入荷したばかりなのだろう。
到着したばかり。私たちと同じだ。
「まさか外国でも食べられるなんて!」
「ママ、買って!」
これだけあるならいいだろうと、3個カゴに入れた。
あとで暮らすようになってから分かったが、
いつも、こんなに大量にあるワケではない。
売り切れ後は数日間、並んでいないこともある。
運んでくれる誰かがいることに、感謝。
見知らぬ土地、異国のスーパーで
どんなものが買えるのか、日本のものは売っているのか
全く分からずにやってきた。
だから日本の、見慣れた顔を見つけた時は
安心したし、勇気づけられた。
こうして日本を離れても、
いつものヨーグルトが手に入るのは、特別うれしい。
いままでと変わらない朝が続けられる、
それがどんなにしあわせなことか、
環境が変わったからこそ、知ることができたんだ。
いいぞ、ここでの生活、きっと楽しくなる!
「ママ、はちみつもかけてね」
日本ではバナナやイチゴを入れることが多かったけど、
今はドラゴンフルーツやマンゴーなど、
新しいコラボレーションを楽しんでいる。
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