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空っぽの頭と企画力

冒険家の皆さん、今日もラクダに揺られて灼熱の砂漠を横断していますか?

僕はあまり自分の企画力に自信があったわけでもなかったのですが、30代の時に当時の上司から「君は企画力があるね」と言われて、びっくりしたことがあります。実は似たようなことをその後も何度か言われて、確かに言われてみると、少なくとも好き嫌いとしては、あまり例がないようなことをやるのが好きな傾向はあるかもしれません。

また、最近は時々「村上さんはどうしてそんなに企画力があるのですか」と聞かれることも経験するようになりました。僕は自分で企画力を育ててきたという自覚が全くないので、そんなことを言われても困ってしまうだけだったのですが、最近ある場面で、「こんな状態じゃろくにアイデア出しもできないよなぁ」と思ったことがあるので今日はそれについて書いてみたいと思います。といってもいつも通り通勤の途中で音声入力で喋っているだけなんですけどね。

【覚えるために手帳に書く・・・だと?】

その場面と言うのは、確かちきりんさんのTwitterだと思うのですが、彼女が手帳売り場の繁盛ぶりを見て日本の電子化が進まないことを嘆いている時の事でした。ちきりんさんの投稿に対して、アナログの手帳の良さとして、「手で手帳に予定を書き込むことで覚えることができる」というコメントがいくつもあったのです。

https://twitter.com/InsideCHIKIRIN/status/1191672513605976066

実際に、複雑なカレンダーの膨大な情報を頭の中に溜め込んでいたら、それは確かにパソコンで言えばメモリを大量に消費して豊かな発想なんかできないだろうなぁと思います。僕はこの辺はあまり詳しくないのですが、「認知的負荷」とか言うやつかもしれません。詳しい人は教えてください。

ですので、もちろん僕も急に「来月の第3土曜日空いてる?」とか聞かれても即答することはできません。だって覚えてないんですから。こういう会話が頻繁にあってすぐに答えなければいけないようなアナログな現場で働いていたときは、Googleカレンダーの印刷したものを常にワイシャツの胸ポケットに入れたりしていました。最近はスマホのスピードもアップしたので、Googleカレンダーのアプリで確認するようにしています。ちなみにGoogleカレンダーは僕にとってタスク管理の役割としても非常に重要なので、パソコンで仕事をしているときは、Googleカレンダーのページは常に開いています。

さて、話が少しずれてしまいましたが、僕はアイデアを出したりするときは、自分のカレンダーに載っている日程等の無駄な情報はきれいさっぱり忘れているほうがずっといいと思っています。少なくとも僕にとってはこういう情報は、ブレストでアイデアを出したりするときには非常に邪魔に感じてしまいます。重い荷物を抱えていて軽々と飛び回れないようなイメージです。

【ハードウェアも気をつけてます】

それだけではなくて、なるべくワーキングメモリーに負担がかからないような業務スタイルも考えています。最近特に気をつけているのは、画面がタッチパネルになっているノートパソコンを使っているときは、積極的にタッチパネルのスクリーンを直接触って、キーボードやマウスやキーボード上のタッチパッド等は使わないようにすることです。これは明らかにワーキングメモリを消費しているように思います。肉体的には手を動かす距離が長くなるので面倒臭いのですが、頭の使い方としては、スクリーンに見えているポインターを、そことは別の場所にあるマウスやタッチパッドで動かすのは、明らかに面倒臭いです。言い方を変えると、スクリーン上に見えているものはタッチパネルで直接指で触った方が、頭の使い方としてはずっと楽であるように感じています。ワーキングメモリ的には明らかにこちらの方が楽で、その分、豊かな発想が可能になるのではないかと思います。

また、文字入力をする時に僕がキーボードを使わないで音声入力を好むようになったのも、もちろん第一にはスピードが全然違うということと、肉体的にも楽だというのがあるのですが、それ以上に頭の中が楽な気もするのです。これはローマ字入力から親指シフトに変わった人が「日本語を直接頭の中からパソコンに伝えられる」と言っていることに近いかもしれません。音声入力はむしろ、もっと直接的にキーボードすら使わずに頭の中にある言葉をパソコンに移植することができるのです。

パソコン本体についても、これはハードウェアではなくてソフトウェアですが、僕が Chrome OS を好むのも、もしかしたら同じようなのかもしれません。 Chrome OS では Windows などに比べてていけないことも多いですが、それ以上にやらなくていいことも多いです。パソコン本体の中には大切なデータは何も入っていないので、パソコンが壊れてしまったらどうしようとか、ウイルスに感染してしまったらどうしようとか、心配する必要はありません。これもわずかではありますが、ワーキングメモリーの消費を減らすのには役に立っているのではないかと思います。

車社会のカナダに住んでいて僕が車を所有しないのも、やっぱり似たような気楽さがあるからです。車を持っているとどうしても「そろそろオイル交換の時期かな」とか「ブレーキパッドがやばくなっているかも」といった心配の種が尽きません。車を所有しないと、不便なことがないことはないのですが、それでもやはり 無駄なことを考えなくて済むというのは僕にとってはありがたいことです。もちろん車の好きな人は別の判断があっていいと思いますが。

【ジャーナリング】

明らかに仕事の量が自分のキャパシティを超えてアップアップしている時は、毎日5分程度「ジャーナリング」というものも行います。自分の頭の中に出てくる雑念のようなものを全て文字化するのです。 僕の場合はもちろん音声入力でこれも行なっています。 公共料金の支払いとか、スーパーで買わなければいけないものとか、そういうものもすべてこの時に頭の中から出してしまいます。その後で to do リストに入れたりカレンダーにいれたりしますが、忙しい時はジャーナリングのメモを振り返るだけという時もあります。このように一度文字化してしまえばもう気にする必要はないので、頭の中が非常に楽になります。 逆に、何か気になっていることがあって、それが頭の中にだけしかなく、こうしたメモの形で吐き出したりできていない時は、何だかとても気持ちが悪い感じがします。

そうやって頭の中のワーキングメモリーを空っぽにするのは、スポーツをするときに動きやすい服を着るのと似たようなイメージがあります。 短距離走でもマラソンでも、 ネクタイを締めていたり厚手のコートを着ていたり、動きにくいタイトなスーツを着ていたりはしませんよね。

【おまけ】

と言うことで、「頭を空っぽにして無駄な情報を覚えないようにすると豊かな発想ができるのではないか」というのが今日の僕の記事の1番書きたいことだったのですが、歩きながら喋っていると思い出したので、あと2つだけついでに書いておきます。

1つは、アイディア出しをするときはなるべく広い画面を使うことです。例えばパソコンを使って1人でアイディア出しをするときは、必ずスクリーンを最大化して、画面いっぱいに書き込めるようにします。

それでもいいアイデアが出ない時は、教育機関なら、教室に行って、ホワイトボードや黒板に思い切りたくさんアイデアを殴り書きしていきます。パソコンよりもホワイトボードや黒板のほうがはるかに面積が広いので、ずっと豊かな発想が出来るように感じます。

もう一つは、体を動かしている時の方がアイディアが出やすい点ですね。そのために、数年前まではICレコーダーをいつも肌身離さず身に付けていました。このブログでも何度も書いたことがあります。アイデアはいつ降ってくるか分からないので、散歩中でもトイレでも、入浴中でも、何か思いついたらすぐにそのICレコーダーに吹き込むわけです。ただし、最近は音声入力の精度が非常に上がってきたので、もうICレコーダーは使っていません。ICレコーダーの場合は、吹き込んだ内容を後で確認するのがめんどくさいんですよね。その点、音声入力でメモしておけば、後で見返すのも非常に簡単に手早くできます。ちなみにメモをするアプリはGoogle Keepです。ちょっと前にも書きましたが、家の中でスマホが自分の手の中にないときは、Googleホームで「覚えておいて」を使っています。

ということで、今日は豊かな発想による企画を考えるための方法として、
1.できるだけ発想の邪魔になるような情報を頭の中に溜めないこと、
2.アイディア出しをする時はなるべく大きな画面を使うこと、
3.体を動かしながらもアイディア出しができるような環境を作ること、
以上の3点について書いてみました。

その他にもちろんそのアイデアの素になる知識も必要だと思うのですが、それについては別の記事を書いておりますので、参考資料の欄をご覧下さい。

コメントやご質問などは気軽にTwitterやFacebookなどでお願いいたします。

そして冒険は続く。

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【参考資料】
考える発端になったちきりんさんの投稿
https://twitter.com/InsideCHIKIRIN/status/1191672513605976066

むらログ: 発想力の源泉について (2018年12月24日)
http://mongolia.seesaa.net/article/463354713.html

むらログ: 発想と作業をリンクさせて管理 (2006年10月20日 古すぎますが・・・)
http://mongolia.seesaa.net/article/25826931.html

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