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ある惑星の話2(365日スクリーン079)

生命がタンパク質として海から誕生し、
その生命が進化の過程で
自省的意識が誕生したという話は
一見無害に見える。

だがこの話は
きわめて意図的に明確な目的をもって
この惑星の住民たちに浸透させられたものだった。

なぜなら、
以来この惑星上で発達展開した自然科学は、
すべてこの生命が海から誕生したという
神話の上に築かれることになったからだ。

この神話は二つの大きな副次効果を生んだ。

一つは、
この惑星の住民たちは、
物理的現象世界の客観的存在を信じたこと。

もうひとつは、
宇宙における生命の痕跡を
外宇宙での水の惑星探しに制限されたことだ。

それは言葉を換えるなら、
この惑星の住民たちが
多次元宇宙の全体から隔離されることを意味した。

多次元宇宙の中で
この惑星は完全な隔離空間となった。

外宇宙からこの惑星の住民たちに対する
働きかけがなかったわけではない、

だが「思考の拘束」という
この惑星に住民たちにかけられた呪縛は
想像を超えて強力なものであることを実証した。

この惑星に入った
多次元宇宙からの働きかけは
ことごとくこの惑星のシステムに取り込まれた。

この惑星は多次元宇宙の中で
あたかも帰還不能の
ブラックホール的空間となった。

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