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名前を憶えて呼び合いましょう

挨拶をしない若者が増えているとか、ほんとうなのかな。私の身の回りにはいません。というより、挨拶するとき相手の名前をつけて「おはようございます、○○さん」という青年(20代)がいて、初対面では感動しました。

人は、無意識に名前を呼ばれることに喜びを感じます。高齢者といわれる年齢になったいま、強く感じるようになりました。

名前を呼ばれた相手に対して親近感を覚える、心理学ではこれを「ネームコーリング効果」というそうで、前述の青年は知っていたのでしょう。勉強家という周囲の人物評もうなづけました。

名前というのは不思議で、大勢のパーティーでも自分の名前ははっきりと聞き取れます。これは「カクテルパーティー効果」というそうな。

不思議といえば、どう読むのか悩む「難読名字」があります。

難しい漢字を使っているわけでもないのに、です。たとえば、サッカーJ1のガンバ大阪・昌子源選手。「しょうじ・げん」と読みます。元フィギュアスケートの村主章枝さんは「すぐり・あきえ」。

日本人の名字の80パーセントは地名から

40年ほど前、仕事で名刺交換した相手に「遊佐」という人がいました。「ゆささんですか。珍しいお名前ですね」と、そのときは終わったのです。

ところが、何年か後、旅行で羽越線(秋田─新潟)に乗っていたとき、秋田から山形に入ってすぐ「遊佐」駅があり、びっくりしたのを覚えています。改めてそのとき思いました。

日本人の名字(苗字)のほとんどは「地名」に由来している。

地名とは土地に付けられた名前なので、それぞれの特徴(山・川・森・海、村・田・畑)から、山であれば「山下」「山田」「山本」となります。

地名以外には、たとえば古代の職業由来のもの、財部、矢作、服部、海部、犬養、調所など。また、明治維新の後、一般人も名字を名乗ることが義務化されたので、地方の小さな集落ではみんなが同じ名字をつけたところも。

今夏、通っているオカリナ教室「リーナ★リーナ」のレッスンで「竈門炭次郎の歌」が課題曲として出されました。

ご存知、大ヒット・アニメ『鬼滅の刃』の挿入歌です。原作・アニメともみてませんので、竈門炭次郎が主人公であることをそのとき知りました。

珍しい名字なので作者の創作による架空のもの? と疑問に思って調べてみたらさにあらず。竈門だけでなく他の登場人物、甘露寺(かんろじ)、不死川(しなずがわ)、粟花落(つゆり)などもすべて実在する名字でした。

姓氏情報の総合サイト「名字由来net 」さんによると、「竈門は熊本県菊水町などに同地名がみられ」、由来は「火の神を祀る聖なるところ、製塩や製陶などのかまどのこと」。

日本人の名字は約10万種類といわれ、同サイトが行なっているランキングによると竈門は全国88961 位。人数ではおよそ10人だそうです。実在するとはいえ、かなり珍しい名字であることは間違いありません。

『鬼滅の刃』の「竈門」は実在する名字

「竈門炭次郎の歌」は、優しくもの悲しいメロディで始まります。

目を閉じて 思い出す
過ぎ去りし あの頃の
戻れない 帰れない
広がった 深い闇♪

家族全員を人食い鬼に殺され、唯一残った妹が鬼になるのを防ぐため鬼殺隊に入った心優しい少年の悲痛な心情。そこから哀しい運命に立ち向かう彼の決意と覚悟を力強いテンポで歌い上げていきます。

泣きたくなるような 優しい雨
どんなに苦しくても
前へ 前へ 進め 絶望絶ち

失っても 失っても 生きていくしかない
どんなにうちのめされても 守るものがある♪

鬼滅ファンならここで“泣きたくなる”かも知れません。

(本島慎也さんのオカリナ演奏はいつもながら素晴らしい)

人の「名前」を歌った、もしくは歌詞のなかにある曲はけっこうあります。そもそも「歌」の語源は、誰かに「うったふ(訴える)」という説があるくらいですから、恋にかぎらず、届けたい「思い」の相手、すなわち、名前がでてくるのは当然かも知れません。

検索サイトの各種ランキングで私の記憶に残っているものでも、

「順子」(長渕剛)
「SACHIKO」(ばんばひろふみ)
「夏色のナンシー」(早見優)
「与作」(北島三郎)
「テルーの詩」(手嶌葵)
「いとしのエリー」(サザンオールスターズ)
「夜桜お七」(坂本冬美)
「前前前世」(RADWINPS)

やはり、ラブソングが多いようです。「テルーの詩」はオカリナの定番曲であり、私の楽譜ファイルにも入っています。初級者向けで吹きやすいです。

面白いのは「前前前世」ですね。こちらも大ヒット・アニメ『君の名は。』(2016年)の主題歌で超ハイテンポの楽曲。オカリナで演奏している方もいますが、私にはもちろんとても付いていけません。

(オカリナ楽譜サイト「おとタマ」の模範演奏。疾走感がすごい)

ちなみに私の名字である「東」(あづま)は、名字net さんによると全国順位 125位。人数はおよそ148000人。さらに、東日本の出身ならアズマ、西日本ならヒガシさんが多いとのこと。

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