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読まれないかもしれない、娘たちへの手紙

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母さんを母さんにしてくれた、三人の娘たちへ。 君たちと生きてきた日々の中で、感じたこと考えたこと、失敗したことうれしかったこと、手紙にしておこうと覆います。
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記事一覧

”里のおばちゃん”として

 母さんは君たちが大好きで、とても愛おしく思っている。母さんのお腹の中で君たちは大きくな…

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言葉にまつわる、いくつかの記憶

 母さんは言葉の遅い子だったらしい。2歳を過ぎてもほとんどしゃべらず、心配したままちゃん…

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Babies open my future!

 「夢は見るものではない、叶えるものだ」というのは、日本女子サッカー界の第一人者、澤穂希…

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そして、今日も台所に立つ。

 「ホント、聖って幸せそうに(または、美味しそうに)ご飯食べるよね」。母さんは若い頃、よ…

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その「幸福感」は、プライスレス。

 お母さんのお仕事は何ですか?君たちはそう訊かれたら、何と答えるのだろう?ひょっとしたら…

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生まれたように、生きてゆく

 個性の源ってなんだろう。君たちは考えたことがあるかな?  母さんは性教育の講師として、…

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素の心で世界に敵う

 今から15年前に家を新築した時、2階の洗面台の壁には横長の鏡を設えた。一番上の君が8歳、下の君は2歳の時だった。数年後には三姉妹が押し合いへし合いしながら、毎朝髪や顔を調えるようになるだろう。そんな朝のシーンを想像して、それだけで母さんは幸せな気持ちになっていた。  しかし、実際にはその鏡はあまり使われていない。顔や髪の細部を調えるには、洗面台の向こうにある鏡は遠すぎるのだ。結局のところ別の壁に設置した姿見の前に立つか、窓際に折り畳みの鏡を置くかして、君たちはめいめいにメイ

生きてきたように死んでゆく

 君たちは、じぃじのことをどのくらい覚えているかな?  そもそも会っていない末っ子の君は…

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私を生きる、この体だから

 母さんが初めて眼鏡をかけるようになったのは、小学2年生の時だった。以来、大人になってコ…

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その宇宙の中心から見上げる空は

「それは、数字では測ることのできない距離なの」 「人の心と、人の心をへだてる距離のように…

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人生の踊り場で

 タイトルホルダーが引退して1ヶ月が経ったね。  コロナ禍を機に10何年かぶりに再び競馬を…

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その答えは、「面白そうだったから」。

 母さんは三人の娘がいて、それなりに色んなことがあって、時々に言葉を交わし合ってきたけれ…

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母さんは君たちに手紙を書くことにした。

 初めてのお産をしたその日に、母さんは一通の手紙を預かった。それは、家の郵便ポストに届い…

なかい ひじり
11か月前
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