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読まれないかもしれない、娘たちへの手紙

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母さんを母さんにしてくれた、三人の娘たちへ。 君たちと生きてきた日々の中で、感じたこと考えたこと、失敗したことうれしかったこと、手紙にしておこうと覆います。
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記事一覧

その「幸福感」は、プライスレス。

 お母さんのお仕事は何ですか?君たちはそう訊かれたら、何と答えるのだろう?ひょっとしたら…

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生まれたように、生きてゆく

 個性の源ってなんだろう。君たちは考えたことがあるかな?  母さんは性教育の講師として、…

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素の心で世界に敵う

 今から15年前に家を新築した時、2階の洗面台の壁には横長の鏡を設えた。一番上の君が8歳、下…

8

生きてきたように死んでゆく

 君たちは、じぃじのことをどのくらい覚えているかな?  そもそも会っていない末っ子の君は…

7

私を生きる、この体だから

 母さんが初めて眼鏡をかけるようになったのは、小学2年生の時だった。以来、大人になってコ…

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その宇宙の中心から見上げる空は

「それは、数字では測ることのできない距離なの」 「人の心と、人の心をへだてる距離のように…

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人生の踊り場で

 タイトルホルダーが引退して1ヶ月が経ったね。  コロナ禍を機に10何年かぶりに再び競馬を観るようになって、そこから始まったひとつの物語に美しくも幕が下りた。その場に、君と立ち会えたことの貴さを、母さんは静かに噛みしめ続けている。  母さんが最初に競馬に触れるようになったのは、大学を卒業して研究所に就職したての1996年だった。同期の仲間たちの中に競馬好きが何人かいて、彼らを中心にGⅠレースの予想大会を開いたり競馬場に出掛けて観戦したりするようになった。  個性豊かな同期

その答えは、「面白そうだったから」。

 母さんは三人の娘がいて、それなりに色んなことがあって、時々に言葉を交わし合ってきたけれ…

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母さんは君たちに手紙を書くことにした。

 初めてのお産をしたその日に、母さんは一通の手紙を預かった。それは、家の郵便ポストに届い…

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