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2つのレイオフの違い(Twitter社とStripe社)を考えてみた

今週、世界中を賑わした、Twitterの買収後の大量解雇騒動をみていて、率直に、私はイーロン・マスク氏の決断力をリスペクトするとともに、一方的で非情な解雇の仕方は、衝撃であり、悲しく感じていました。

もちろん、解雇という方法を取らざるを得ない状況であったと信じますし、倒産させることが経営者として一番やってはいけないことであるため、英断なのかもしれません。
また、外部に漏れていないだけで、解雇する従業員への想いや謝罪が通告されていたのかもしれません。

今、私が目にしている情報の限りだと、上記のような情報がない前提として記載しています。もちろん、偉大なる起業家であるイーロン・マスク氏を非難するつもりもなく、あくまでこの後のTwitter社の経営への影響をどう考えているのだろうか、経営者としてどうあることが正しいのだろうか、という分析対象として書いているのみです。

果たして、今回のやり方はどうだったのだろう、と私は思いました。
レイオフされた人はもちろんのこと、
Twitterに就職したいと憧れていた人はどう思ったのだろう、と。
残った人は、どう思ったのだろう、と。
その家族は、どう思ったのだろう、と。
なぜ、こんなやり方をするのだろうか、と私は解釈に苦しみました。

私は、経営にもスポーツと同様に「心・技・体」が必要だと思っています。
技は、技術・テクノロジー、組織としてのスキルや強み。
体は、資本力、加えて人材力もここに入るかも知れません。
そして、心。働いている人が、生き生きとしていること、この会社で働けて幸せ、と思えていること。

今回の事件(と言わせてもらいますが)を受けて、3つ目の「心」の部分がないのかな、と思ってしまったことが、私を悲しくさせました。

もしかしたら、私が甘すぎるのかも知れませんが、レイオフされた人、その家族のことを考えると、もう少し配慮が欲しかったと思ってしまいます。
これって、日本人的な発想なのかな、と考えてみたり。

そう思っていた時に、以下のTweetを見て、心が救われました。

Stripe社が、このような状況に追い込まれていることは衝撃でしたが、14%レイオフしなければならないことに対する、CEOの対応を私は絶賛したい。

もちろん、創業経営者だから、というのはあると思いますが、レイオフなんて喜んでしたい経営者はいない、と思います。
でも、それ以上にレイオフされる人は、どんなに余裕がある人だってショックを受けることだと思うのです。

当然、どんな言葉をかけても、焼け石に水かも知れないし、捨て台詞を吐かれてしまうかも知れない。
でも、このメッセージは、本当に重要だと思うのです。

これは、レイオフする従業員に対してだけじゃなく、残る人、これから入ってくる人へのメッセージでもあると思うのです。

少なくとも、私はこのような配慮を忘れない経営者でありたいな、と思いました。

一方で、イーロン・マスク氏が全従業員に送ったとされるメッセージには、経営視点での考えは綴られています。少なくともこういうメッセージを直接送られていることは重要だと思うのですが、全文を読んでも、レイオフをされた人が救われるメッセージがないな、と思ってしまいました。

レイオフするにしても、こんなトップの違いがあるんだな、と感じた2つの事件でした。

いずれにしても両社ともこれから、社会に残ってもらわなければならない会社ですし、頑張って欲しいです。

そして、レイオフされた人たち(もちろん日本にもいると思います)が、これを奮起材料にして、界隈でびっくりするほど、古巣に呼び戻されて断るくらい活躍してほしい、と心から願います。

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